イチロヲ

密写!緊縛拷問のイチロヲのレビュー・感想・評価

密写!緊縛拷問(1979年製作の映画)
3.2
緊縛お座敷芸の大切な相方を亡くした男(野上正義)が、余命幾許もない絵師(下元史郎)の若妻(日野繭子)を縛ることで、責め絵の作成を手助けする。軍人が闊歩する大正時代末期を舞台に、異常性愛の世界を描いているピンク映画。脚本はガイラこと小水一男。配給は新東宝。

生きづらい世の中をサドマゾで世渡りしていこうとする人間のドラマ。サドマゾ心理の綾というのものを当事者視点から描いている調教劇とは異なる。純和風の雰囲気を大事にしているところが好印象。

権力者(または雇用主)の私利私欲のために、社会の暗部を彷徨うことしかできなくなった主人公の悲哀が、とてもよく表現されている。社会的底辺部の人間たちが異常性愛の世界に縋るというモチーフにも同調することができる。

東映のスケバン映画でデビューした丘ナオミが、岡尚美名義で出演。打算的でしたたかな大人の女を見事なまでに演じきっている。その成長ぶりには、感嘆の声が出そうなほど。