むっしゅたいやき

ミルクのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

ミルク(2008年製作の映画)
3.3
ユスフ三部作、第二作です。
第一作が詩人・ユスフの成年期、第三作が幼少期の物語であり、この第二作がその間にあたる青年期の物語となります。

端的に言えば、抑揚も無く冗長な作品でした。
第一作・第三作は『抑鬱された感情の発露』が見られ、またそれが山場となっていたのですが、本作にはその様な山場は見られず。
相変わらずカメラの構図は良いのですが、長回しを多用し過ぎてテンポも悪くなっています。
特に中盤の蛇を探すシーンでは、バストショットからの長回しで被写体がしゃがんでしまって何をしているのか皆目分かりませんでした。

不安定な青年期の、母親像と現実の母との乖離を描くと云うコンセプトは分かるのですが、やや力み過ぎて過剰にカメラに頼ってしまった様に感じます。

ただ、空を飛ぶ鳥から泥の中に住むナマズへ象徴を変える事で彼の中の母親像の変化を表す、更にダブルミーニングで母の中ので鳥=彼を選んだ事をも表す、と云う描写は面白く感じました。

連々と書きましたが、一言で申せば『眠い』作品です。
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