シネオ

ROAD TO HiGH&LOWのシネオのレビュー・感想・評価

ROAD TO HiGH&LOW(2016年製作の映画)
3.5
実はビーバップハイスクールやクローズのような、不良抗争ものが大好きでして。予告で見た主人公たちのカスタムハーレーやローライダーのアメ車もカッコよくて、またしてもほとんど無知識で劇場へ(笑)


いやー、正直期待してなかったけど、面白かった!後から知ったけど、7月の本編の前振りで2週間限定公開だったんですね。TVの総集編に少しの素材が足されたらしいから、16:9の比率だったのかな。従来のファンは物足りなかったのかもしれません。けど純粋に一本の映画として、よく出来てましたよ。

ギャング同士の抗争ストーリーもドキドキするし、各チームのキャラもよく練られている。リーダーたちは個性があって、設計も抜かりなし。3人の主人公の少年時代からの友情を描くのも、王道だけどわかり易い。不覚にも、ウルっとしてしまいました。


役者陣が素晴らしい。岩田剛典さんは演技できるの知らなかったけど、なかなか上手いですね。鈴木伸之さん町田啓太さんも、実感がわくリアルさで、見応えありました。若い脇役もみんな実力派ですね。LDHや日本の若手俳優の奥深さを実感しました。EXILE TRIBE
の面々や意外な配役も美味しいところで登場するから、思わず顔がほころびます。あとね、小泉今日子さんとYOUさんも、いいカンジで絡んでくる。こういうのは作品を楽しくしますね。

アクションは、なかなかですよ!こういうの本気じゃないとツラいけど、リアリティで迫力があり、かなりきてます。ハイスピードカメラを駆使した、香港ノワールのような美しさにも息を呑みます。全編をとおして、PV的な発想の映像は素晴らしい!監督はPV界では大御所の久保茂昭さん。実は昔EXILEさんを起用したTVCMを作ったことがあるんですが、この時久保さんにディレクターをお願いしたことがあるんです。センスはいいし、アイデアマンだし、仕事は速いし、今までにあったことのないタイプで、天才でした。映画デビュー、おめでとうございます!


難を言えば音楽が鳴りっぱなしで、少しストーリーに入り込めなくなります。音楽がない時間は、全編でほとんどないのでは。もちろん音楽メインのアーティストたちの映画だから、気持ちはわかりますが。効果的なSEや音楽の使いで、もっと作品自体のクオリティが上がったのではと、ちと残念かな。


これはね、マジでTVものとバカにできません。昨今の駄作邦画より、よっぽど価値がありました。迷ってる人は迫力の大スクリーンで、大音量で体験しましょう。けどね、それだけじゃない。劇場を出る頃には爽やかな気分に包まれ、昔の友達に会いたくなる切なさが込み上げてきたことが、何より嬉しかったのですよ。

2016.5.10 新宿ピカデリー