ちきーた

ドラゴン・タトゥーの女のちきーたのレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
3.8
ドラゴンタトゥーの女
2011年アメリカ・スウェーデン・イギリス・ドイツ
原作:スティーグ・ラーソン
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ ほか

「大物実業家ヴェンネルストレムが武器を密売していた」という大スクープを記事にしたことにより、名誉毀損の罪で有罪判決を受けたジャーナリスト、ミカエル(ダニエル・クレイグ)。
そんな彼がヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)という男に捜査能力を 買われ、"ある事件"の調査を依頼される。
「40年前に失踪した一族の少女ハリエット・ヴァンゲルの失踪事件を調べてほしい」
ヘンリックは一族の誰かがハリエットを殺したと確信しており、事件の謎を解いてくれれば、莫大な報酬とともにヴェンネルストレムを破滅させられる決定的な証拠を与えるとミカエルに語る。
40年前の失踪事件の裏には一体何があるのか。
助手として紹介された天才女ハッカー、リスベット(ルーニー・マーラ)とともに、ミカエルはヴァンゲル一族の大きな謎に迫る。

聖書の「七つの大罪」をテーマにした連続殺人サスペンス『セブン」を1995年に作ったデヴィッド・フィンチャー。

そしてこの後、女性の失踪事件をテーマにした『ゴーン・ガール』(2014年)を作るデヴィッド・フィンチャーの経由ポイントとしてとても重要なポジションの作品。


そのメインのストーリーは、大ベストセラーの推理小説を元にした、さすがの巨匠の腕前で魅せるサスペンス。不穏なBGM、腹黒いクセのある(しかない)嫌らしい大人たち、生臭い事件、すべてが「フィンチャー味」に料理されていて、非常に気持ち悪い(注:フィンチャーに関しては『気持ち悪い』は褒め言葉です)。

そこはサスペンスなので、あまりレビューで書いてしまうとつまらないので割愛。

「007」や「レイヤー・ケーキ」や、後の「ローガンラッキー」などのダニエル・クレイグが、ちょっとヘタレなのに何故かモテる微妙にパッとしない男っぽいズルさのある主人公ミカエルはまぁ置いといてw

私は、ルーニー・マーラ扮するリスベットの可愛らしさにすっかり持っていかれた。

腐った大人は、彼女をその外見で判断する。
だけどその外見も彼女にとっては武装なのだ。
そのおかげで色々なことが出来ている。
だけど「普通の女の子」がすることは
なかなか上手くいかない不器用なリスベット。
それがとても切なく可愛い。

ジェニファー・ローレンスやナタリー・ポートマンも候補だったらしいが、あの華奢な感じの骨格、無愛想で無表情で性別曖昧な演技、不健康そうなサブカルカブれ具合の演出がぴったりくるのは彼女しかいない。
ジェニファーやポートマンでは女性らしい線が強すぎると思う。

ただ1つ残念だったのは、鼻と唇のピアスが偽物だとバレてしまったところ。
ボディピアスは、あんなに細いゲージのピアスは逆に危ないので空けません…
って、コレ分かったの私だけか?
アイブロウ(眉)とニップル(乳首)は本物でしたね。
耳のトライバルピアスはマグネットの偽物かな。じゃないとあの耳飾りでヘルメットは無理!

クソみたいな人間に乱暴に扱われるシーンでは本当に痣が出来てしまったとか。

そのせいで、痣をつけてしまった役者さんはショックを受けて部屋から出るのが辛くなったほどだったとか。

色々なエピソードを残したルーニーさん、現在の彼氏はホアキン・フェニックスだとか。なんだそのロマンス映画どこで観れるの?(笑)


この作品の脚本もとてもいい。
リスベットのキャラクターや仕事、彼女の置かれている環境のクソさと
ミカエルがメインで進む主題のサスペンスの
ほぼ平行して同時進行で前半は進む。

後半はこの二人が邂逅し、ストーリーが一気に動き出すところで、すでに観てるこちらはリスベットのブッ飛んだ凄さに魅了されている。
そして事件が解決した後にも、また物語が待ってるところがニクい。

この構成力、脚本の凄さはスティーブン・ザイリアンが半年かけて書き上げたものだという。
『マネーボール』『レナードの朝』『ミッション:インポッシブル』『ハンニバル』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アメリカン・ギャングスター』『シンドラーのリスト』などなど、名作の脚本を担当している。

スウェーデン版の「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」も観よう。

そして、フィンチャー監督が製作総指揮をする作品
新しいリスベット役、クレア・フォイの活躍する「蜘蛛の巣を払う女」も楽しみだ。