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エル ELLEのKYのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.0
ポール・バーホーベン監督作。
コメディ映画。

ゲーム会社の社長ミシェルは1人暮らしの自宅にいた所を覆面の男にレイプされる。その後も不審な出来事が続き、周囲に疑惑の目を向けるミシェル。彼女は自ら犯人を探し始めるが…。

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面白かった。登場人物全員のネジが外れてる。登場人物各々のエピソードが社会問題を風刺した異常なものだけど、主人公が状況に怯まず受け入れるので全部笑えるものになってしまう。

とにかくイザベル・ユペール演じる主人公が強烈。ここ数年見た映画の女性像でもここまで凄いキャラクターはいなかったかも。個性という点でも女性としての魅力という点でも。

ただそうなると理不尽でブラックなコントの様になりかねないけど、コントと違ってちゃんと登場人物の背景を描いてるから笑いだけに陥らない。観客のモラルを揺さぶる。

レイプ犯が判明した後の主人公の行動を見る観客の気分を例えるなら、ハンター×ハンターのGI編でゴンが『ゲンスルーを大天使の息吹で治したい』とか言い出した場面のゴレイヌの心境に近い。真剣に見れば見るほどこちらのモラルが混乱する。
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