若大将オーウェン

エル ELLEの若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.5
猫のアップから始まる映画。猫はイザベル・ユペール演じるミシェルの身に起こったことをただ見てるだけ。ぼくら観客もずっとミシェルを見る映画だと思った。
でもそこは決して見守るにはならない。ミシェルは毅然とした態度を貫く。それに比べて、男たちの情けなさと言ったら…笑
ゾッとしつつも、思わず笑ってしまう場面が多い。赤ちゃんの場面は、映画館で笑いが起きていた笑
気を抜いたら、水をかけられるようにバーホーベンは最後まで観客に問いかけ、揺さぶってくる。
ラストは去っていく女性2人の背中を写す。この2人の関係だけでも色々とあるのだが、どちらも颯爽と去っていく。
このシーンが表すように色々と割り切れない複雑な面を映しながらも、イザベル・ユペールの背筋ピーンの前に最後まで見ることしかできなかった。
それでも人生は続くといったような味わいもあるが、そこに悲壮感を感じさせない美魔女ユペールがとにかくすごい。