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エル ELLEのkaoruiのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.5
バーホーベンはどちらかというと苦手な監督なんだけど、ユペール観たさにシネマイーラにてボッチ鑑賞。
明らかなサスペンス・ストーリーなのに、その語り口はサスペンスとは程遠い。こわごわ部屋の中を探索しないし、窓もばっと開けてしまう。そりゃユペールなんやからこれくらい普通、と思いつつもそれでも何か変だ。
そうか、これは変態が変態を呼び催される狂宴の映画なのだ。毒毒しい母親、ユペールと✖︎✖️な関係の親友、○○なその夫、🔺🔺な隣人などが一堂に会すシーンは禍々しい。腑に落ちつつその一方で猫や小鳥や鹿をショッキングにブッ込んでくる性悪な演出が狂宴が中心に向かうのを妨げる。
ひしゃげた車の中からの一連の捻挫した脚のフェティッシュな撮り方で核心に迫るのに、打ち上げでの清々しさは何なのか、どうも座りが悪い、いやハナから座らせるつもりがないのだ。
脳味噌まで見せてしまったり、一服の清涼剤であるはずの隣人の奥さんにさえ闇を垣間見せる。違和感や不快感を最後の最後まで積み重ねる。僕はこの監督が少し苦手である。
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