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エル ELLEのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.3
新鋭ゲーム会社の社長ミシェル(イザベル・ユベール)は、1人暮らしの瀟洒な自宅にいたところ、覆面の男の襲撃を受ける。その後も、差出人不明の嫌がらせメールが届き、留守中に何者かが侵入した形跡が見つかるなど、不審な出来事が続く。自分の生活リズムを把握しているかのような犯行に、周囲に疑惑の目を向けるミシェル。父親にまつわる過去の衝撃的な事件から、警察との関わりを避ける彼女は、自ら犯人を探し始める。だが、次第に明らかになっていくのは、事件の真相よりも恐ろしいミシェルの本性だった……。
「ベティ・ブルー」のフィリップ・ディジャンのサスペンス小説を、ポール・バーホーベン監督が映画化。
自分をレイプした謎の目出し帽を被った男や自分の会社の社員のパソコンに迷惑動画を送信した男やミシェルの携帯に迷惑メールを送信した男の正体をミシェルが探す中で、ミシェルが警察に通報したがらない理由が父親がかつて引き起こした猟奇殺人に関係があること、倒錯した欲望を抱える隣人パトリックや歪んだ欲望を形にしようとするゲームのプログラマーや自分の妻ジョシーが違う男の子供を生んだことで酒浸りになるミシェルの息子ヴァンサンやミシェルに未練たらたらの元夫リシャールなど男たちのしょうもなさ、ミシェルやミシェルの会社の共同経営者で親友アンナやミシェルの息子ヴァンサンの妻ジョシーやパトリックの妻レベッカなどレイプや旦那の浮気や迷惑メールや動画送信に動じずいつも通りの生活を過ごしながら冷静に犯人の正体を探り邪魔な旦那を追い出しリベンジして新しい生活に進める女性のしたたかさやたくましさや仕事や恋愛に対しての貪欲さが描かれ、パーティーからのクライマックスはミシェルが練り上げた策でレイプ犯たちしょうもない男たちにリベンジしていくのとミシェル自身の隠れた欲望が明らかになる展開で、サスペンスミステリー色は薄いけど、性暴力にはここまでリベンジしなきゃ駄目だということと女性が欲望に忠実で何が悪いというポール・バーホーベン監督のメッセージが込められたリベンジムービーです。
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