kur

エル ELLEのkurのネタバレレビュー・内容・結末

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

傑作だと思う
この作品の中で度々出てくる「ゲーム」が大事で、ゲームの画面が時折そのまま映画の画面になり、さらに写されるゲームはエロゲーでレイプ場面が写っている。一方そのゲームを作る会社の責任者?である映画の主人公は冒頭でレイプされている。さらに従業員によってゲーム内のレイプ被害者の顔を主人公の顔に差し替えるイタズラが起こる。
主人公の視点ではフィクションの中でもレイプされ、現実でレイプされているが、観客の視点で見るとどちらもフィクションにカテゴライズされ、ただフィクションのレイヤーがあるだけというだけに過ぎない。
ただこの作品をフィクションノンフィクションの問題だけに閉じ込めるには他に要素がありすぎる。
殺人犯の娘、イメージのアイデンティティ、他者との関係など複雑なのでまとめられないが、「つくられる」こと。環境が本当に人格を形成するか?恐怖が快楽に変化して行く、というよりはそうなるように仕向けられている感があって、それは直接ゲームが、現実が、映画などが全て「つくられている」気持ち悪さを感じさせる。
ただ「レイプ」をこういう扱い方をするのは男性だからと言われても仕方はないとは思う。
kur

kur