HidekiAndo

エル ELLEのHidekiAndoのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.7
クズ!
あんたも親父も


ゲーム会社の社長ミシェルは、目出し帽の男にレイプされる。
しかし、その日に訪ねて来た息子ヴァンサンとは、何もなかったかのように、彼女ジョジーとの結婚を心配する。
小説家の元旦那リシャール、親友のアンナとその旦那ロベール(ミシェルと浮気中😁)との食事の時、自分がレイプされた事を告げる。
皆は警察に届けるようミシェルに言うが、『警察なんてあてにならない』と彼女はそれを頑なに拒む。
ミシェルの社内で、彼女を辱しめる動画がばらまかれ、ミシェルはレイプ犯は社内か知り合いの犯行と確信し、社員のケヴィンに調査を依頼する。
メールや、ミシェル宅にいた痕跡を残すようになるレイプ犯。
それに呼応するかのように、ミシェルの身に降りかかる数々の不幸…。

なるほどですねー!
何だかスゴい映画でした😅。
身内だけでも超有名な殺人犯が父、若い男と再婚しようとする母、娘程の年のヨガ・インストラクターと付き合う元旦那、ちょっとおバカな息子…。そんな環境にいながら(いたから?)、本人は本人で親友の旦那と浮気したり、向かいの旦那を誘惑したりと、これだけ登場人物が『風変わりな人間』ばかりの映画も珍しいです。
身内以外も曲者だらけなもんで、それがちょっと自分には、『キャラお腹一杯感』になってしまいました。
社内での犯人探しの際のミスリード辺りはもう、ゲップ出ました😁。
だったら父親の事件の方にもう少し時間を割いて欲しかったなー、と。それの方がもっと、ミシェルの『人格、背景』が見えてきたと思います。

裕福でありながら色んな不幸を一手に背負う『ミシェル』という女性の、その環境故の『強さ』と『脆さ』、そして『ドライ』『奔放さ』『狂気』等々、非常に複雑な人物像を、体当たりで演じたイザベル・ユペールはスゴすぎますし、なかなかここまでの『多面性』を持ったキャラクターは、お目にかかれないですね。
何故劇中で『Lust for life』がちょいちょい使われてるのかなー、と思ってましたが、ミシェルの『生への欲望』を表してたのかな?と何となく、自分の中では納得出来ました。

ネコ、もっと効いてくるかと期待してましたが、そこはちょっと残念でした。
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