mimitakoyaki

エル ELLEのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.9
きのうは休みだったんですが、大きな地震で電車もストップし、来れなくなった職員も多く人手が足りなくて、急遽休みを返上して仕事に行ったので、今日はその分午後から休みが取れて、でも余震が続くから映画館に行くのも怖くて、家で映画見て過ごしてました。

ゲーム会社の社長がレイプされるところから物語が始まるという衝撃…。
レイプされたのに淡々と普段通りに過ごし、しかし警察には頼らず自分で身の回りにいそうな犯人を探っていくという話です。

そして、この主人公ミッシェルはものすごいハードな事情を抱えて育ってきた背景もあり、犯人は誰なのかというサスペンスもあり、犯人が途中で明らかになって以降がまた、え、ナンデ⁇の連続で、常識とか道徳とかそんなのをことごとく無視してて、物語がどう展開していくのか見事に予想を裏切っていきます。

このミッシェルという女性はいったい何なの?と思うわけですね。
ひどい暴行を受けてるのに、取り乱すこともなく普段の生活を続けてるし、仕事はバリバリ妥協なしなので、会社では敵も味方もいて、リッチでお洒落で気高く、とても強い。
親友のダンナとも寝てしまう。
とにかくハートが強い!

でも、頼りない息子がアホそうな女と結婚するとか、もうかなりの年の母親が若い男と結婚するとか、そんな話になると反対して堅物な面があったりするんですね。
そして何より、ものすごい変態やないかいっ!

変態というのか何なのか、常軌を逸しすぎてて理解不能。
相手に何を求めてるのか、何でそいつを呼ぶの?何でそこ行くの?何でそれするん?のナゾだらけで、すごいミステリアスなんですね。

レイプ犯のただならぬ屈折ぶりに自分の尋常ではない育ちと重ね合わせ、どこかシンパシーを感じてのことなのか…

出てくる人たちがみんな普通じゃなくて、その普通じゃない人達が集まるパーティとかコワイし!
ミッシェルさんがどんどん壁をぶち壊して行くから、ハラハラして目が離せなかったです。
面白いっ!

そんなミッシェルさんがとにかくすごいんですが、そんなミッシェルに引けを取らない静かなぶっ飛び奥さんがダークホースで頭角を表す!
ゾッとする一言に頭をかき乱されました。
ラストも、えっ⁈そうなるの? でもなんかハッピーエンドなんかも…みたいな感じも狂気じみてました。

そんなこんなで、常識破りの破天荒なストーリーに、イザベル・ユペールの美貌と気位の高さに魅了される作品でした。

53
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