サスペンス映画の様相を呈しつつ、タイトルどおり主人公の「彼女」ミシェルの複雑な性格を描いた映画。フランス人キャストによるフランスを舞台にした作品のためか、いつものヴァーホーベンの悪趣味なテイストは薄めだが、ミシェルを取り巻く女性たちのカラフルなキャラクター(逆に男たちはいつもながらバカばかり)がおもしろく、悲惨なテーマを扱っているにもかかわらず楽しく見られる。
監督は、当初ハリウッド女優を主役に考えていたらしいけど、これはイザベル・ユペールでないと成り立たない。自分を襲った出来事を冷静に消化していく姿がとてもカッコいい。