山岡

エル ELLEの山岡のレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.6
つい先日始めて観た『ロボコップ』に感動し、その後のポール・ヴァーホーヴェン作品を公開順にチェックしてきたが遂に2019年時点の最新作に到達。

冒頭、いきなりのレイプシーンに度肝を抜かれる。(ファーストカットから主人公がレイプされてる映画をみたのは初めて)、その後も全編を覆う欲深き中年男女の濃厚な性愛の世界にのみこまれる、さらに主人公が幼少期に父親が大量殺人犯として逮捕されていたという衝撃の過去、さらに主人公が単なるレイプ被害者ではないことも明らかになっていき…『氷の微笑』以上にへヴィーなエロティックスリラーとも言えるが…別れた夫の恋人に嫉妬したり、お向かいさんとイケない関係になったり、親友の夫を寝取ったり、母親が若い恋人と結婚しようとしたり、会社で若い部下に惚れられたり、恋愛体質なのは子どもの時から母と別居している父から十分に愛情を受けていなかったから、だったり…ここら辺の要素だけを抜き取ってみると高齢化が進むフランスの中年映画ファンに向けた中年ラブコメとして見ることができると思う。(見たことないけど日本の『セカンド・ヴァージン』『熟年離婚』的な感じ?)
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