J四郎

エル ELLEのJ四郎のレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.6
ポール・ヴァーホーヴェン監督の作品。
主演はフランスのイザベル・ユペールで、確かこの作品でアカデミー賞にノミネートされてたはず。還暦を過ぎているはずですが、美しく色気のある美魔女っぷりで魅せてくれます。

もう監督がこの人なんで普通のサスペンスではないだろうと予想は出来ていた。やはり今回も真っ当な映画ばかり観ているとショッキングな内容となっております。なんせ熟女のレイプシーンから始まるんですから。あ、そういやここに出て来た猫、うちのヤツに似ておりました。

イザベル演じるミシェルはゲーム会社の社長。PS4向けゲームを作っているようだけど、モンスターから触手がウネウネ出てくるムービーがイカれております。仮にアレを日本市場で売り出すと全く売れんでしょうな。何のゲームやねんアレ。

登場人物はミシェルの家族や隣人、社員と揃って屈折した人物ばかり。誰ひとり感情移入できる奴がおらん。ミシェルがレイプ犯を追う内容かと思いきや、後半は意外な方向へと。ヴァーホーヴェンものだけに予定調和な流れには全くならない。

ミシェルの父が絡む事件や登場人物らの奇妙な関係性などこの監督ならではの世界観が炸裂しまくってます。
主人公のミシェルおばちゃんが段々とアレ?この人ひょっとしたらヤバいんちゃう?と解っていく過程もスリリング。それでもこの映画はこの人の魅力で突き進んでいくようなもの。

一見、暗そうな内容だけどブラックといっていいユーモアも盛り込まれ笑えるところは笑えます(分かりにくいけど)。濃い作品だが俺はヴァーホーヴェン耐性という特殊スキルが付いてしまっているのか、そこまで衝撃を受けなかった。まあ普通の楽しい映画を観たいなら避けた方が良いでしょうけど。
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