エル ELLEの作品情報・感想・評価

エル ELLE2016年製作の映画)

Elle

上映日:2017年08月25日

製作国:

上映時間:131分

3.6

あらすじ

ゲーム会社でCEOとして働くミシェル(イザベル・ユペール)は、ある日自宅で覆面を被った男に襲われる。自分のペースを崩さず日常生活を送るミシェルだったが、襲われた記憶がフラッシュバックし彼女を蝕み始める。犯人は身近にいるようだ。自分をもてあそんだ犯人の正体を突き止めるべく、周囲に探りを入れていくミシェルだったが、やがて自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされ、周囲を巻き込み波乱を巻き起こしていく―。

「エル ELLE」に投稿された感想・評価

共感性とか感情移入とかぶん投げてる初めての体験になった映画だった。
イザベル・ユペールがとにかくすげぇ。演技も脱ぎっぷりもとても還暦越えとは思えない。


サスペンスに見せかけたコメディと高らかな女性賛歌「エル ELLE」
http://tea-rwb.hatenablog.com/entry/2017/09/08/123000
待ちに待って、やっと観れました。ララランドはつい最近やっと配信で観て、ムーンライトは未見ですが、これは映画館に観に来ちゃうぐらい、兎に角早く観たかった訳です。

高校大学ぐらいの時でしょうか、Basic Instinctも公開初日かなんかに観た記憶です。ジョー・エスターハスの脚本が史上最高額で取引されたとか、無名だったシャロン・ストーンの抜擢で生まれたケミストリーとか、カンヌ等世界で話題になってからの日本公開でしたから、その期待感たら無かったです。

Showgrilsのショーのシーン等でもそうなのですが、「迫力」がポール・バーホーベンの得意技だと僕は思っています。 今回は少し抑え気味かなどうかなと思って観てみましたが、まあ、中くらいです。Trickedがイマイチだったから、行く末を心配してたけど、見事に、しかもオフ・ハリウッドで復活。痛快です。

さて中身ですが、「レイプされて復讐」ぐらいにしか考えてなかったのですが、土台は割と橋田壽賀子系とも取れる、バーホーベンが大好きなソープオペラじゃないかと私は感じました。また、ShameとかCrush等にも通ずるトラウマ&メンタル問題の存在でバーホーベンの成長を感じましたし、ドラマとして深みをもたらし、良い感じに複雑にしてくれています。そしてララランドなんかよりよっぽど100億倍ハッピーエンドです。

好きなシーンベスト3
1)双眼鏡
2)見してごらんなさい。
3)「サクッとで良いから、な、頼む。」inOffice
4)プチ・ボトックス

とか色々頑張る女優さんは、60歳オーバーです。

このレビューはネタバレを含みます

50代ぐらいと思われる女性がレイプされるところから始まります。
その後、何事もなかったように日常を送る主人公のミシェル、だけど、やっぱり許しがたい出来事だったようで、防犯態勢を整えつつ、犯人探し。
けれども、その犯人が誰で、何でそんな事をするのかがわかってみると、彼女はそれをプレイとして受け入れる。
自分の中にそういう歪みがあることを許容することで、過去のトラウマからも解放される。

これはこれでアリだなと納得していたら、なんと彼は、母親が襲われていると思った彼女の息子に殴られ死んでしまいます。

これが、ミシェルの計略だったのか、想定外だったのかが、よくわかりません。
その前、男の家で誘いに乗るような形で襲われた時に、ミシェルが満足できなかったような描写があったので、今回は自分も楽しむわというようなつもりだったのかと思っていたのですが。
でも、パーティー会場を出るときに息子に「彼と先に帰ってるわね」と言ってるわけだから、息子が後から帰ってくることはわかってて変態男に応じてた、とすれば、彼女は男を許してなんかなくて、息子を利用して復讐する計画だったのか。

変態男が死んじゃってよかったのか?と思ったのですが、男の妻に感謝されたり、軽やかで清々しいラストシーンで、あの変態男はミシェルの踏み台だったということで、一応のハッピーエンドってことでいいのかな、と。

そんな主人公のミシェルには意外と共感できました。深刻な過去を背負ってこの歳まで頑張って生きてきて、成功を手に入れて、もう好きなように生きていいよねと思えたのですが。

ただ、その解放のきっかけになるのがレイプ、というところにどうしても抵抗があります。
映画として理解できても、女性として、それを許容してはいけない気がする。
監督はその変態男を殺すことでバランスを取ったつもりなのかもしれないけど。
それはやっぱり男の理屈であって、レイプという行為にこんな形で正当性を与えてしまってはいけないでしょう。

女優さんは素晴らしかったし、フランス映画らしい品と美しさもあってそれは悪くなかったのに、残念でした。
バーホーベンのアブノーマル感覚がフランス映画でキレイに花開いた、という感じかなあ。作品としてはよくできていて飽きは来ないけど、個人的には好みではなかった。

アブノーマルって何だろう、ノーマルって何だろう、と考えさせられる。

張られた伏線がいともあっさりと回収されていくことに拍子抜けしつつ、スリラーじゃないよねえ、と思いながら観てましたが、ラストのレベッカのセリフだけは大変薄気味悪かったです。

ゲーム開発会社のシーンには、あるあるネタがいろいろあり、笑わせてもらいました。ちゃんと取材したんでしょうね。

ロベール役のクリスチャン・ベルケル、ドイツ映画やナチスがらみの戦争映画ではおなじみでしたが、フランス語もできるんだ、スゲー、と思いました。
【2017/11/18】
Taul

Taulの感想・評価

5.0
『エル ELLE』
ブラックコメディというにはあまりに衝撃的で、人間賛歌というにはあまりに変態じみたバーホーベンの映画力。1ミリも感情移入できない人間沼に落ち常套句を探すとしっぺ返しをくらう。際立つイザベル・ユペールの気品と色香。理解を超えた人間/映画の素晴らしさ、快感だ。

『エル ELLE』は今年のベストを更新させる面白さだった。人物を何かの型にはめることをよしとせず、そのまま「個」であることを謳った素晴らしさ。ある意味それが本来の人間性では、と教えてくれる。百戦錬磨の監督と役者が作った信念の人間描写を見た。
まぐ

まぐの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

クソ映画見せられたという感じではないのだけれど、何が何だかよく分からなかった。話の筋が追えないという意味でなく、何がやりたい映画だったのかという意味で。

レイプという形でなければ興奮しないという隣人と歪んだ性生活を送る主人公、あるいは信心深い隣人、父親の違う子を産んだ息子夫婦、夫を寝取られた主人公の親友、元夫とその妻、そして両親に共通点が見出せればこの映画を読み解く手掛かりになりそうだが、残念ながら自分ではそこに至れなかった。何と無く、「信仰」というのがキーワードになりそうな気はしているのだが…

サスペンスも良いが、主人公の人格が歪んでいるせいか全体を通してどこか常識が歪んでいる様な、変な不気味さがある。
主人公の美魔女っぷりがすごい。この映画で熟女好きに目覚める人がいてもおかしくない。
エロティック系のサスペンスはあまり見たことなかったが、見慣れない設定にハラハラさせられた。
主演のイザベル・ユペールはハネケ監督の『ピアニスト』でも魅力的な中年女性を演じていたが、64歳を迎えた今でも変わらぬ美しさに度肝を抜かれる。
lgKaoring

lgKaoringの感想・評価

4.2
ひと言で言えば、インテリジェンス溢れる変態映画。

イサベル・ユペール、御歳64であの潔さ。
この変態映画が成り立つのは、彼女(まさにELLE!)ならでは。

監督、やりたい事やりまくった感じで、うらやましい。

「変態」をまっとうな言葉に昇華させた、すごい映画。
striker

strikerの感想・評価

4.1
⑤ G-6 21:25
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