もっとジャンルレスな映画かと思いきや、割と直球のコメディ。ライトな作風の中に、ドスンとくるメッセージをさらっと込める気概。
中で視覚化されたテーマは、公開時よりも広く深く議論がなされるように変わってきてるわけで、やっぱ先鋭的なビジョンをズバッと提示できるのはかっこいいなと。
別にALSのやり方が正しいとも、皆がミジャになれば良いとも思わないけど、24時間いつでもファミチキやからあげクン食える必要あるかな、みたいな違和感とその裏側への想像は忘れずにいたい。
ミジャとオクジャが自然の中で遊びながら採集や狩りをするシーンが、後にあらわになる構造との対比になってたように、何気ないシーンが後に繋がり回収されていく気持ち良さ。
韓国映画らしいアクの強いキャラクターを、ティルダ・スウィントンやジェイク・ギレンホールらも変に浮くことなく自分のものにしていて、ポン・ジュノの分厚さをまた見せつけられた。