少女ミジャが「スーパーピッグ」オクジャを助けるだけの話なんだけど、演出が多彩で引き込まれる。大自然ののどかな暮らしから始まり、都心のカーチェイス＆アクション、NYでの華々しいパレードから陰惨な食肉加工場へ…と映画のタッチがころころ変化していくから観ていて飽きることがない。
ポール・ダノが出てきた辺りからぐんと面白くなる。ダイソーの戦いに介入する動物解放戦線。組織の中でも個人の利害と思想は対立し合い、絡まり合いながら物語が進んでく。
近年のヴィーガン急増が背景にあるから欧米で評価されるのも納得だった。スーパーピッグが機械的に殺されて同じサイズの食肉となっていく様子はショッキングで、食肉に反対するのも分かる。見たくないものを外注して覆い隠している現状と無知の愚かさ。情報の取捨選択と印象操作は権力の側によって常に行われていて、畜産に限った話でもない。
キャストが豪華だけどポール・ダノのキャラクターと演技が最高だった、博愛のひと…
