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オクジャ okjaのdeenityのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
3.5
『パラサイト』で今注目を浴びているポン・ジュノ監督が手がけるNetflix作品。

当時から話題になっていて今まで放置してきたわけですか、まさかジェイク・ギレンホールにポール・ダノ、リリー・コリンズなどの豪華俳優陣が揃ってるとは思いませんでした。
特にジェイクは大好きな役者なので、博士として登場した姿を見て衝撃でしたね。すごくおちゃらけていて、今までに見たことないタイプの役柄を見れただけで満足でした。逆にポール・ダノなんかはクールにカッコいい役をこなしており、こういう役も合うんだなと新しい発見もあり、面白かったです。


ストーリーはシンプル。食料不足に悩む人民のためにスーパーピッグなる遺伝子組み換えによって生まれた巨大なブタを10年育成し、それを販売するという話。別にこれだけ聞けばこのプロジェクトを立ち上げたミランダ社を悪く思わないのだが、これが視点が変わると見方も変わってきてしまうのが不思議。

主人公のミジャとスーパーピッグのオクジャは心を通わせた関係性で、飼い主とペットという上下関係ではなく、親友のような関係性を築いていることがわかります。
また、オクジャの映像表現にも驚かされますが、どことなく愛くるしく思えてしまうんですよね。糞の仕方とか何そのかわいいのは、という感じで癒しすら覚えてしまいます。

だからこそ、そのオクジャがアメリカに連れて行かれ、その先に待ち受ける悲惨な運命について考えると心を痛めてしまうのです。「かわいそうだ。殺さないであげてよ。」と。

ただ人間は食わねば生きられませんからね。当然自分も豚肉は美味しく食べますし、きれいごとであることは百も承知。だけどそれでも二人の無事を願ってしまうのは複雑なところですよね。
ちょうど数年前に教室にブタがいた話が話題になりましたよね。そういう授業、いわば道徳の部分で非常に考えさせられるというか、考えたところで結論は生きていくしかないわけですから、自分たちが口にするものへの感謝の思いを感じさせてくれる。そういう作品だったと思います。
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