こぅ

パスポートのない女のこぅのレビュー・感想・評価

パスポートのない女(1950年製作の映画)
4.1
ジョセフ・H・ルイス監督作品 初鑑賞による、
【フィルム・ノワール】。ラブ・ストーリー要素
あり。

車に轢かれた男が発見され、所持品からキューバの不法移民と判明する。アメリカ移民帰化局の捜査官ピート(ジョン・ホディアク)は、実態を解明する為キューバに向かう。斡旋組織を仕切るパリノフ(ジョージ・マクレディ)に辿り着き、難民の一人、マリアンヌ(ヘディ・ラマール)と知り合う…。

冒頭の計算された【長回し】のワンカットで、
先ず掴まれる。

そこから、展開は、スムーズすぎる程、スムーズに
、まるで時間の関係で端折ったかのようにスルスル
進む。
本題、キューバに到着してからは、割と落ち着いた
ペースになるが、、

珍しい内容ではあるが、ストーリー云々(良い
セリフ多し)よりも、印象的なショット、
カメラワークが、目白押しで、【唸る】しかない。
基本的には、カット割らず長回し、ズームイン、
アウトで見せ、好みだ。
美女ヘディのアップのみ、わざとピンぼけにして
いる⁈のは、気のせいかな⁈

キューバに到着したピートが、街を歩く何パターン
かのシークエンスは、【軽快な劇伴】も伴い、
ちょっと観光気分に。
特筆は、バーの入り口に立ったと同時にズーム
アウト長回しで始まるキューバの曲とボンバー女の
ダンスが、印象深い。
向き合うピートとマリアンヌのズームイン。
キスの撮り方も斬新。
ホテルで、捕らわれたピートが見張りを仕留める、
明暗を活かしたシークエンスの【クール】
さ。


クライマックスからラストまでは、全て見所だ。
上空戦での空撮〜ジャングルでの実況長回し。
モノクロ史上ベスト3に入りそうな【濃霧】の
中での決着。
こぅ

こぅ