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しゃぼん玉のlily0x0のレビュー・感想・評価

しゃぼん玉(2016年製作の映画)
4.2
よすぎた。よかった。
これだめだ、家で観てよかった。。。
少しネタバレ含みますが以下感想。

話の設定は「夜明け」みたいだなーって思って観ていました。
生まれや育ち、前科、名前なんて関係なく接してくれる村の人々。
親に愛されずに育ち、どうせ親子なんて代々どうしようもないものなんだって思っていたイズミでしたが、村の手伝いをしたりしながら人々と関わっていく中で、閉ざされた心が開いていきます。
そして人生やり直したいと思うようになっていくのです。
初めはお金盗んで逃げようと思っていたしうるせーとか口悪くて、通り魔もしたり、今までもいろんなことから逃げてきたんだなっていう感じでしたが、些細なことでも周りの人の愛情や優しさに触れていくことでちゃんと自分を見つめ直していく。
この歳で人生諦めるにはもったいないってみちちゃんの言葉も聞いて、人生やり直したいって決心して、ばあちゃんにすべて打ち明けるところがすごかったです。
決心して車の中でおにぎり食べてから向かうところや、のちにしげじい発見した時の表情。。林遣都の演技もう号泣でした。

「夜明け」を観たときにも思ったんですけど、やっぱり親に愛されていないとか認められていないって感じた子どもは、自分なんて生まれてきた意味があるのか疑問を抱いたり、劣等感を抱いたりしてしまうんですよね。
そしてずっと愛されたい、認められたいと思ってはいるのに、どうせ自分なんて愛されないんだ、認められないんだって思ってしまっている。
イズミもそんな1人ですよね。
ぼうはええ子やってずーっと言ってくれて、自分のことを信じてくれるばあちゃん。
いつでも優しくしてくれるばあちゃん。
いつしかそんなばあちゃんのことは信じるようになり、愛されたいとも思うようになっていたんじゃないかなあ。
泥棒だと疑われたときには、ばあちゃんに疑われてしまったのではないかという悲しい気持ち、ばあちゃんには信じてもらいたいという気持ちになっていたと思うので。
この作品はバッドエンドじゃないので最後救われてよかったです。

そして市原悦子さん演じるおばあちゃん本当に良かったです。
人柄、個性が確立していて本当におばあちゃんが存在しているかのような自然な演技でした。
ずっと観たかった今作。
こんな形で観ることになるとは。。
素晴らしい作品を本当にありがとうございました。
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