長月九日

ティエリー・トグルドーの憂鬱の長月九日のレビュー・感想・評価

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しんしんと染み渡るように迫る過酷な現実に静かに耐え忍ぶ姿が痛ましくも魅力的に見える

障害を持つ息子の教育、妻との関係、解雇、厳しい再就職、新たな職場の葛藤

邦題「憂鬱」という言葉は確かに的を射ているように感じる。憂鬱は多くの場合、単一的に深化した悩みというよりは、複合的に絡み合い手のつけようのない現実から生じるものであるから

しかし本作が映すのは当然、そんな「憂鬱」たる現実そのもののみならず、そんな日々を黙って見つめ歩き続ける主人公のたくましさである

僕はもうそれらしいことしか言ってない。早く本物になりてえ。おわり
長月九日

長月九日