トランスマスター

ティエリー・トグルドーの憂鬱のトランスマスターのレビュー・感想・評価

3.0
#50 フランス映画は沈黙の使い方が上手い。

会社を解雇されたエンジニアの中年男性のドキュメント風作品。
職安の勧めでクレーンの免許を取得したが現場の経験がないと雇用してもらえない事など役所の施策が現状に沿っていない事に苛立ちを見せるが、妻と障害をもった息子を養う為スーパーの保安員として就職するストーリーです。

◆良い点/注目ポイント
・オンライン面接や面接グループディスカッションなどフランス人の求める従業員像や判定基準がわかります。
・トレーラーハウス売却の交渉のシーンなど本当にリアルな演技です。
・奥さんとのダンスシーンなど息抜きの方法もユーロ圏ならではの趣味。
・スーパーの保安室での万引き発見のレクチャーや万引きや内部不正の尋問など見ごたえがありました。万引きは初犯なら刑事事件にしない所は温情を感じますが、内部不正への処分は厳罰です。

◆改善点
・ラストは少し疑問を感じました。

◆総括
・ユーロ圏の生活の様子や考え方行動様式を覗き見できる映画でした。
一家の大黒柱は必見です。

-2020年 50本目-