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フランコフォニア ルーヴルの記憶のcoroのレビュー・感想・評価

3.5
ナポレオンによる数々の戦いとフランス革命の理念から生まれたルーヴル。いずれ自由、平等、博愛を求める市民の重要な憩いの場所となっていくルーヴルの姿をルーヴルとともに見つめていく。

1940年の夏
無防備都市と化したパリの街へ侵略者たち(ドイツ兵)がやってくるところからこの物語は始まる。
何かにつけて争うことを愛した旧世界の産物もそれに巻き込まれるが、そんなことを意にも介さず物語は進んでいく。ルーヴルからすれば一瞬にしか過ぎないこの出来事を横目で見ながら語るルーヴルの回想に耳を傾け、古代の世界の美しさを知り、そこで暮らした人たちと触れ合い、ヨーロッパの文化を純粋に愛でる。

亡霊の眠りは浅いと言いながら何度も目覚めるナポレオンとは対照的に、戦争のすべてを忘れてしまいたいと平和を願い、ひとりエルミタージュの憂いに身を委ね最後まで目覚めることのないトルストイが可哀想。
こんなこと言うとドゴールが目覚めないか心配だけれど、歴史的建造物や美術品を敵の砲撃から守るため、敢えてパリを捨て南下を選んだ(私的見解)フランス政府の判断は賢明だったと思う。
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