エディ

動物農場のエディのレビュー・感想・評価

動物農場(1954年製作の映画)
3.8
残酷な農場主に飼われていた家畜たちの反乱の結果、動物たちが運営する国家の有様を描くことで、「権力」や「支配」を考えさせる寓話的なアニメ。

貧乏臭く残酷な農場主に飼われていた馬や豚等の家畜たちは、あまりにも酷い仕打ちにとうとう反旗を翻し農場主を追い出すことに成功した。人間無き後の農場は、豚のリーダーであるスノーボールが動物たちのリーダーになって動物農場として平和的に運営されていたが、野心家である豚のナポレオンは、動物は平等という平和的な姿勢が面白くない。なので、仲間の豚を増やして、あるときクーデターでスノーボールを追い出し、豚が他の動物を支配する強権政治社会を作り上げる。
そこでは、豚が特権階級で、馬や鶏たちは日夜働かされて搾取されるだけの立場になってしまった。。。

いちおうアニメだが、色調は暗いしテーマは重く深いので、決して子供向きではなく、むしろ大人のための寓話だろう。この映画で描かれているのは、「支配される側が支配したとき、再び支配と被支配の立場に分化してしまう」という人間のサガだと思う。

平等というのは口で言うのは優しいが、それを謳い文句にする中国やロシアなどの共産主義国家ですら、特権階級と労働者階級の貧富の格差が激しいのは歴史が証明するところだ。

ある種の魚は、オスやメスだけの集団にしてしまうと、その中でオスがメスに性転換するなどして、オスとメスの数が再び均等になるようだが、人間っていうのは、結局、どんなに平等を目指しても、平等を愛するはずの集団の中ですら階級を作って支配と被支配を作るサガなのかもしれない。

その意味では、この映画は性悪説に立っているのでとても虚しい。

まるで、金太郎飴のように、切っても切ってもヒトラーが出てくるような印象を受けるのだ。

豚より力が強いし賢いはずの馬がおとなしく従ってるのは不自然だなんて野暮なことは言わないで、人間社会の縮図として観ると、自分の心の奥底に潜む差別意識や本能的なマウンティング指向に気付いてはっとすると思う。