Pepe

マンチェスター・バイ・ザ・シーのPepeのレビュー・感想・評価

4.5
今年最高映画のうちの1つ。大絶賛。
アークライト/ハリウッドで鑑賞。
ネタバレなしでレビューします!

2016年は本当に良作が多い中、他に負けずに輝くケイシー・アフレック主演で超辛口批評で驚異の97%を叩き出した感動ドラマ。
ケイシー・アフレックは間違いなくアカデミー主演男優賞にノミネートされるだろうし、受賞してもおかしくないと思う。

あらすじは…
ボストンで便利屋として働く短気なリー・チャンドラーは兄が死んだとの連絡を受け故郷のマンチェスターに戻る。そこでリーは兄の16歳の息子、パトリックの後見人になったことを知らされる。あまりにも辛すぎる過去を負うリーと思春期真っ只中に父を失ったパトリックの物語。

アマゾン・スタジオが配給する映画を観るのは初めてだったのでアマゾン・スタジオなんてあることさえ知りませんでした笑
ケネス・ロナーガンが脚本、監督の今作ですが、製作担当のマット・デイモンの存在を感じられます。出演はしてませんが脚本にも関わったようで少し『グッド・ウィル・ハンティング』を思い出しました。

まず音楽が素晴らしい。
本当にオーケストラのコンサートにいる気分。音楽で心に訴えかけてる。

この映画は多分みんながみんな好む映画ではないかもしれませんし、涙が止まらないほど号泣するシーンがあったり、感動的展開があるわけではありません。
でもだからこそ、同じような映画がたくさんある中で一際目立つんです。
なぜならすごく正直な映画だから。
すごくすごく正直な映画なんですよ。

過去に傷を負い、独りで生きるリーと
思春期真っ只中のジョー、
リーは優しく頼もしい父のような存在の兄を亡くし、パトリックは唯一の父を亡くしたことにより、その悲しさと現実に対処していく話なんです。
だから全然すごい展開があるわけではなく2人がそれぞれのやり方で悲しみや自分の過去や弱さを乗り越えていく素直な映画です。
ボストンの寒く厳しい冬と息を呑むほど美しいマンチェスターの海。
本当に綺麗に映し出されています。
キャラクターから滲み出るヒューモアに笑い、キャラクターが感じる痛みに涙します。
なにか1つのシーンに涙するわけではなく(『タイタニック』のジャックとローズの永遠の別れのシーンや『グッド・ウィル・ハンティング』の「君のせいじゃないです」のようにではなく)
主演のケイシー・アフレック、
パトリック役のルーカス・ヘッジズ、
リーの元妻役のミッシェル・ウィリアムズ、3人の自然で卓越した演技力とそのキャラクターの哀しみに劇中何度も涙しました。

ミッシェル・ウィリアムズも短いオン・スクリーンでしたがアカデミー助演女優賞にノミネートされるんではないでしょうか?

日本での公開は未定ですが
アメリカではすごい注目されていて
放送映画批評家賞にも
作品賞、監督賞、主演、助演男優賞、助演女優賞、アンサンブル演技賞、オリジナル脚本賞にノミネートされていますし、
今年最高映画のうちの一本です。
こういう映画がもっと日本でも上映されるべき。
Pepe

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