Ryoko

マンチェスター・バイ・ザ・シーのRyokoのレビュー・感想・評価

4.0
主人公のリーが背負ってる十字架が、観ている側がすんなりと疑似体験できる丁寧な演出がとてもよかった。過去の描き方だったり、町の景色だったり、ケイシー・アフレックの佇まいだったり。すべてが相まって、乗り越えられない感がひしひしと伝わってきた。

正直、わたしだったら生きてられない。でも、生きることでリーは自分に罰を与えてるんだろうな。
兄が残してくれた最期の想いも、痛いほどわかる愛だし、無邪気な甥っ子の存在も自分にとってはかけがえのないもの。妻の許しの言葉、彼女は自分と同じように壊れてしまった心だけど、ちゃんと前に進んでる。それらすべてをもってしても、きっとリーには自分を許せる日は来ないんだろうな。それでも人生って続くんだよね。

しみじみと伝わってくる映画だった。そしてケイシー・アフレックのへなちょこ具合が最高。
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