rui

マンチェスター・バイ・ザ・シーのruiのレビュー・感想・評価

4.5
沁みた。沁みました。
ケイシー・アフレックの佇まいがもう最初からよかった。
多くを語り過ぎず
映像としては港の風景の色味が素敵だったのと、カーテンショットで淡々と景色だけを映すところなんて、まったくもって小津さんの映画みたいで品があった。ファックファック言ってても品があった。

現実は乗り越えようと思って乗り越えられるものもあれば、どうあがいたって乗り越えられないものもある。
別にそれが逃げてるとかじゃなくてさ、なんか、生きていくってそんなもんだと思うわけで。
身に降りかかった困難を全て「壁」という表現をしなくてもいいと思うわけで。
所々に笑えるポイントがあって、それがこの映画の救いというか、リアリティというか。
30分の世間話って自分もできへんわ。笑

過去の思いを吐露する場面、涙こそ流れなかったけど、さすが涙腺が緩んだ。
描かれていない感情の空白がそこに全部詰まっていた気がして。
ちきしょー。つって抱きしめたくなったよね。
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