こぅ

マンチェスター・バイ・ザ・シーのこぅのレビュー・感想・評価

4.6
アカデミー賞で主演男優賞と脚本賞を受賞した
マット・デイモン製作、ケネス・ロナーガン監督
の【ヒューマン・ドラマ】。

ボストンでマンションの便利屋をしているリー
(ケイシー・アフレック)は突然の兄ジョー(
カイル・チャンドラー)の訃報を受けて故郷で
あるマンチェスターの港町に帰郷する。葬儀の
準備を進める中、兄の勝手な遺言により、甥パト
リック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人となる事
に…。

脚本賞ノミネートに終わった【20センチュリー・
ウーマン】も素晴らしかったが、本作も冒頭の
便利屋シーンから始まりスーッと心に入ってくる
吸引力のある【見事な脚本】だ。
帰郷したリーの現在とトラウマの過去を回想して
語られる脚本が実に自然で滑らかに感じた。
それも勿論、ケイシーの繊細な演技があっての事
だろう。
特に中盤、リーが弁護士を訪ね、バックにクラシ
ックの名曲が流れるリーの過去のトラウマが回想
で明かされるシークエンスは素晴らしいに尽きる。
後半の葬儀後に元妻ランディ(ミシェル・ウィリ
アムズ)と再会を果たし、短いながらも会話する
シーンには思わず泣かされた。
作品全体を通しての【構図とカメラワーク】も
常に計算されていて完璧だ。


ラストもとてもナチュラルで重くならず、破綻も
せず、【余韻をしっかり】と残している。
こぅ

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