ぷぅちん

マンチェスター・バイ・ザ・シーのぷぅちんのレビュー・感想・評価

4.0
便利屋として働く無愛想で評判の悪い男が、兄の死をきっかけに16歳の甥の面倒を見ながら、過去に自身の不注意が原因で起こした悲劇と向き合うドラマ。

みんなが辛い、暗い、悲しい、重いとか言いまくるから、これは心がどんよりするような内容なのかと思ったが、甥とのぎこちないやり取りは凄くコミカルに感じた。

演技や表現、演出がリアルで、良い意味で映画らしくなく、他人の日常生活をそのまま見ているような感覚。

「心にトラウマを抱えた人物が、完璧にトラウマから解放されるまで」を描くのが映画の王道の展開だと思うけど、この映画は最後まで主人公は心に傷を負ったままだ。

だけど前向きに、心の傷を癒す為の第一歩を踏み出せたと思われるラストの主人公の姿は凄く印象的だし、心地よい余韻を残してくれる良い終わり方だと思う。
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