Shibawithbread

マンチェスター・バイ・ザ・シーのShibawithbreadのレビュー・感想・評価

4.5
人の数だけ人生があり
人の数だけ死がある

マンチェスター。海辺の街。海と人。海と死。
此処にいたい甥と、
此処にだけはいられない叔父。

 便利屋として有能でありながら、愛想がなく感情を表に出さないリー。無機質な繰り返しの毎日を壊したのは一本の電話だった。故郷に住む兄の死。いつか来ると知っていたその日が来たことによって彼の止まっていた時間が動き出す。

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 わかっていることだけれども、外側からはそうとわからない人にも心の奥底に抱えているものがあったりするもんだなという。話が進んでいくにつれてわかって来る事実があまりにも辛すぎる。
 この映画のいいところは、まず映画らしくないところだと思う。感動的な画面づくりをしていない。なんだったら手撮りのMVのような気軽ささえ感じる故にふとすると近くの出来事に思える。
 あとはリー。あれほど感情を出していなかったし、病院でさえどこか放心といった風だったが、二人で車に乗ったあたりから静かな生活音がメインだった映画に会話が占めていく。
 
 最後も救いがあるようなないような。乗り越えてやったね!ではない。上手くいかない、乗り越えるには辛すぎることもある。人生って色々。

 ケイシーアフレックの細かい演技力が散見できる。電話口の次第に震えて裏返る声だとか、放心とも絶望とも痴呆のようにも取れる警察での表情とそのあとの感情の動きだとか。無感情のような中に感情をのぞかせるのがうまい。

・裾から出ているインナーがきになる
・甥っ子二股希望者もち。プレイボーイじゃの〜
・病院でティッシュくれるときに箱が来るかと思ったら二、三枚さっと渡しててなるほどね
・船に向かう桟橋の二人。足が長い。
・元奥さんの再婚相手がメガネのインテリ風イケメン&イクメン