ぴよぴよ

マンチェスター・バイ・ザ・シーのぴよぴよのレビュー・感想・評価

4.0
世の中はままならない。自分が思っている通りに事は進まず、寄り添いたいと思う人とは結ばれず…もどかしい思いに切なくなる。でも人は生きていくしかない。

表情をあらわにしない主人公リー。心の奥底に悲しみを隠して淡々と日々を送る。家族の悲劇を経験してから内側に篭ってしまった心。

病気で亡くなった兄の息子、別れた妻…それぞれの思いが、どんよりした海辺の街マンチェスターバイザシーの風景に溶け込む。

ケイシーアフレックの悲しい表情が秀逸。他人にも自分にも、まわりの状況にも腹が立って、つい八つ当たりしてしまう彼の行動に胸がしめつけられる。

ベビーカーを押したミシェルウイリアムズとのシーンはやりきれなくて悲し過ぎて泣けてくる。気持ちのやり場に戸惑う2人の演技が素晴らしい。

派手さはないけれど、リアルな人物描写と全編に漂う悲しみが胸を打つ。生きるっていろんな意味で切なくて…でもこうして人は生きていくしかないんだなって感じさせてくれる秀作。