マンチェスター・バイ・ザ・シーの作品情報・感想・評価

マンチェスター・バイ・ザ・シー2016年製作の映画)

Manchester by the Sea

上映日:2017年05月13日

製作国:

上映時間:137分

ジャンル:

3.9

あらすじ

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に投稿された感想・評価

風景と音楽がいい。陰鬱とした感じ?
喪失感に覆われた映画だ。

小津安二郎がもしもハリウッドで映画を撮るとしたら、本作で主人公リーを演じたケイシー・アフレックを笠智衆の代わりに起用するだろう。それほど芝居臭くない自然な佇まいは実兄ベン・アンフレックを超える抜群の存在感。ケイシーは本作での演技が認められ見事アカデミー主演男優賞に輝いている。

ボストンで便利屋を営むリー(ケイシー・アフレック)は、腕はいいが人間関係を築くのが大の苦手。顧客とのトラブルも後を絶たない。バーで女に粉をかけられても話が続かず、男性客とは目があっただけでぶち切れるかなりの問題男。そんなリーの元に故郷マンチェスターに住む兄ジョーの訃報が届くのだが…

水回りの修理の合間に一人せっせと雪かきをするリー。人付き合いをさけるこの孤独な男リーにも、実は愛妻や子供にも恵まれた時代があったようなのだ。そんな幸福な過去と、兄ジョーが死んで一人残された甥パトリックの面倒をみることになった現在が交互に映し出され、映画はリーを襲ったある悲劇へと観客をみちびいていく。

イギリスではなくアメリカの北東部にある小さな港街マンチェスター。ボストンでは修理に訪れる度に聞きたくもない愚痴を住民に聞かされていたリーだったが、リーの過去を噂で知っているマンチェスターの人々はどこかよそよそしく他人行儀。両市とも雪深いという共通点がありながら、カメラが映し出す街の雰囲気はきわめて対照的である。

友人がたくさんいるマンチェスターを離れたくないパトリックを連れて、すぐにでもボストンに逃げ帰りたくなるほどの悲劇とはいったい?監督のケネス・ロナーガンは、主人公のリーに無理やりその悲しみを乗り越えさせるようなシナリオはあえて書かなかった。マンチェスターの住人に会うたびに過去へと引き戻されるリーは、親父を喪った悲しみから立ち直ったパトリックを残して一人ボストンへ帰ることを決めるのだ。

マンチェスター時代の兄が自分にとても良くしてくれたように、甥の希望通り何とかこのマンチェスターで仕事を見つけようと努力するリー。しかし人生を変えてしまうほどの悲劇を経験したリーにとって、その思い出がたくさん詰まった街で暮らすのはいうなれば生き地獄だ。人間乗り越えられない悲しみの一つや二つあったっていいじゃないその方がむしろ自然でしょ、とロナーガンは優しい口調で観客に語りかける。

マンチェスター・バイ・ザ・シーにつもった雪は当分の間消えそうにないが、(海に囲まれた街のように)他人の悲しみに寄り添う経験をしたリーの中ではきっと何かが変わったはず。そんな明るい予感さえ感じさせるラストシーンの台詞が秀逸だ。

「まだこの(しみったれた)話を続けるのか」「いいや」
声を失った。。。
無口になってもいい。
yukko

yukkoの感想・評価

3.8
しんどいなー。

主人公は寡黙で、観ているコッチも、そのぶきっちょな生き方にハラハラさせられた。

大人は自分ひとりでカタをつけなきゃなんない。

別れた妻が言った「死なないで」が切ない。
妻が言った酷い事ってなんだったんだろう。
想像はつくけど。


しんどいけど、観て良かった。
わざわざ映画を観るのにそこにリアリティを求めるってのも、考えてみたら変わった話で。でもやっぱり、リアルに感じられるからこそ心が動くということもあるわけで。
言葉を省くことが、かえって雄弁なこともあるし。
これはそういう、大人の映画でした。
risako

risakoの感想・評価

3.3
あんなちっちゃかったパトリックが大きくなって立派に二股かけるような男になってるけどふとした時の少年さがよかった
みりん

みりんの感想・評価

4.0
‪誰かを亡くした人ならわかると思うけど、日常のふとした、ほんとーーうにどうでもいい瞬間に悲しみが襲ってくることがある。‬
‪冷蔵庫の前で、今まで泣かなかったパトリックが堰を切ったように泣き出してしまうところ。リーは全然わかってないけど、自分だってわかんないよね、涙が出ちゃうよねー...あそこはすごく、誰かが死んだあとのことがリアル。‬
‪父親が死んでんのに、泣かないっていうか悲しそうにしないところ、時間差で泣くとこ。葬儀屋行ったあと、「暗すぎない?演技だってバレバレなのにね」と愚痴るパトリックは、中学生のときの私そのままでした。親が死んだときなんてあんなもんなんです。たぶん。‬
‪親が死んだからそれらしくする必要もないし、乗り越えられないこともあっていい。やさしい映画です
いはん

いはんの感想・評価

3.8
全ての傷を時間が癒してくれるわけではないけどそれでも人は日々を生きていかなければいけない
りーん

りーんの感想・評価

4.2
I can't beat it
彼の大きすぎる傷を知ったとき、思わず涙が出た。
綺麗に映った海と雪の街並みが、一瞬にして寂しくて物悲しい景色に変わってしまったよう。
助けてくれる人も赦してくれる人もいるけれど、それでも自分は…
彼女に会って話をして、リーの中で何かが少し修復されたのかな。
甥っ子に照れくさそうにソファベッドの理由を話す場面にじーんとする。
挟まれる過去や嫌な夢、人を遠ざけたり殴ったりして、静かに激しく揺れ動くリーの心が苦しいくらいに感じられた。
ズシンとくるけど、不思議と光を感じる。
私生活大丈夫だよね?ってくらいのケイシーの演技に脱帽。ミシェル・ウィリアムズもさすがとしか言いようがない。
二度目の鑑賞でもこんなにしみるとは…
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