【クソ野郎の執念が作り上げた大帝国】
面白かったですが、かなり胸糞悪い映画でもありました。
経営者やそれを目指している方は必見の作品だと思います。
毎日、世界人口の1パーセントが食していると言われるマクドナルド誕生の経緯は、とても興味深かったです。
片田舎で小さなハンバーガー店を営むマック兄弟の生み出した革新的なシステムに感銘を受け、彼らを言いくるめ、そのシステムを我が物とし、最終的には屋号まで奪いとって、世界一のファーストフードチェーンの”創業者”となった男、レイ・クロック。
彼は人間としては最低ですが、経営者としては一流であると認めざるを得ないのが、この映画の面白いところ。
ここまでムカつく男を演じ切ったマイケル・キートン、流石です。
『バードマン』以降、名俳優としての階段を再び登り始めた感がありますね。
見事な脚本や演出も影響してか、登場人物の行動や発言も逐一心に残りました。
マックの歴史そのものも、ドラマチックな要素が豊富で面白かったです。
1号店でフライ担当だった男が、後のマクドナルドの会長になったりとか。
マクドナルドという輝かしい名前か……。
当たり前過ぎて考えたこともかったですが、日本を含めて世界中でコレだけの店舗数を構えるレストランって、確かによくよく考えたらすごいことですよね。
まさに大帝国。
ただ、ついこの前も月見バーガーを食べて、50周年記念で創業当時のロゴが印刷されたマックの紙袋を目にしましたが…この映画を観た後だと、なんか色々と考えてしまいますね。
映画を観ている途中、数年前にあったナゲットに歯が混入していた事件とかを思い出しました。
あれも、創業者であるマック兄弟が最後まで訴え続けた本来のマクドナルドの経営理念が、安さと速さを追求し続けた経営者の手によって失われたことが招いた事件だったのかな。
創業当時のチーズバーガーとか食べてみたい。