ゆっけ

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのゆっけのレビュー・感想・評価

4.5
ファウンダー=創業者(マクドナルドの創業者、レイ・クロック)
の半生を描いた映画。(「創業者」というタイトルはある種皮肉の意味もあるかと思います)

『ウォルト・ディズニーの約束』という『メリー・ポピンズ』の製作秘話を描いた映画の監督ですが、さすがでした。ジョン・リー・ハンコック監督、一般的に知られていることの、裏側、人物にフォーカスして描くのが非常に上手いです。

この映画は「成功はゴミ箱の中に」というレイ・クロックの自伝では伝わらない、マクドナルド兄弟との対立を描いた作品です。

経営者の中では、ユニクロの柳井正、ソフトバンクの孫正義などがリスペクトしているのが、レイ・クロック。実は、レイ・クロックが師事していたビンセント・ピールという自己啓発のベストセラーを書いた人は、ドナルド・トランプ大統領が「師匠」としていた人物ということが分かると、この映画がなぜ、今公開されたのか分かる気がします。

決して、エンターテイメント映画ではないです。ビジネス映画でもあり、社会派映画でもある映画。奥さんとの対立も、かなり静かですし、レイ・クロックは確かに「嫌な奴」として描かれてもいますが、度を越した嫌な奴(悪人)としては描かれてもいない気がしました。そこはちゃんと、レイ・クロックの偉業も中立的に描いているからこそだと思います。


さて、世界中の誰もが、一度は食べたことのあるマクドナルドのハンバーガー。
当時、画期的だったのは、30秒も待つことなく、15セントのバーガーを手軽に食べることのできることだったんですよね。

その独創的なシステムを生み出し、今のアーチ型のシンボルも作ったのが、マクドナルド兄弟です。彼らは、「高品質」「コスト削減」「合理性」「スピード」にこだわり、経営していました。規模を拡大することで、管理がおろそかになり、品質が落ちてしまうことを恐れ、店舗も多くはしませんでした。

このレストランを見て惚れ込んで、フランチャイズ化を進めたのが52歳のレイ・クロックでした。

1954年のアメリカ。資本主義の中でのアメリカンドリームを手にしたのは、いうまでもなくレイ・クロック。

ビジネスマン VS 職人

0から1にするものと、
1から100にするものとの闘いとも言えます。

どちらが、正しいか、一概に言えないからこそ、考えさせられます。

マクドナルド兄弟が、お客のことをちゃんと見ていて、レイ・クロックが利益のことばかりで、全くお客のことを見ていない、、、とは言い切れないんですよね。

レイ・クロックが目指しているものはもっと大きいもので、そのために動く資金(キャッシュ)がどうしても必要になるわけで、「不動産」というところに目をつけます。そして、やがて、マクドナルド兄弟から「マクドナルド」の権利までも買収することに。。。

この映画を観て、レイ・クロックのことが気になって、「成功はゴミ箱の中に」を読んでみましたが、やっぱりこの人は、話が上手いんですよね。自己啓発のテープをずっと聞いて、セールスマンとして長年生きてきただけあって、ひとを引きつけるトーク術があります。その点は、ジェイク・ギレンホールの『ナイトクローラー』と同じです。

愚直にひとから学び、本気で目の前のことに執着して、リスクをとってやり遂げること。
レイ・クロックは、マクドナルド兄弟と交わした「契約書」によって悩み苦しむのですが、

マクドナルド兄弟が生みだしたものをそのまま真似して、自分の店を作らなかったある理由が面白いです。「成功はゴミ箱の中に」では、その他の理由も書かれてたりもしますが。。
勉強になります。

強い信念と継続を持った男の物語。