リッキー

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのリッキーのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

841本目。
実話に基づくマクドナルド誕生秘話を描いた作品です。
マクドナルド兄弟は努力の末に現在のファストフードショップの基となるシステムを開発しますが、自分の目が届く範囲以上の経営拡張はせず、誠実な経営方針をとっています。
営業先でその完璧なシステムを目の当たりにしたレイは、兄弟にフランチャイズ化を熱心に勧め、ついに契約をとりつけます。
鑑賞していて応援したくなるのは誠実なマクドナルド兄弟ですが,勝者は資本主義の権化であるレイのような者であります。

レイを演じるのはマイケル・キートンで、実に上手い演技を見せてくれます。彼はマクドナルトを全米に展開していこうと考えていますが,その考え方にマクドナルド兄弟はついていけません。
兄弟にとってレイは憎らしい相手となりますが,キートンの演技は嫌味を感じさせません。
レイもまた自分の人生をかけ、信念を持って行動しているので後ろめたさなど微塵もないのです。

最後にレイは「マクドナルド」の商標権を兄弟から270万ドルで買い取ります。1950年代の270万ドルは現在のレートだと30億円くらいでしょうか。ファストフードのシステムは十分理解しているため,システムを盗み、違う名前で全米に展開することも可能でしたが,彼が最も手に入れたかったのは「マクドナルド」の名称だったのです。
このビジネスの嗅覚が素晴らしいです。やはりこのような感性の持ち主でなければ一代で巨大企業を創れないのでしょう。

資本主義の非情な部分を表している作品です。
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