映画としては面白いのですが、主人公のレイ・クロックがいかんせん嫌な人すぎます。マクドナルド兄弟も頑固っちゃ頑固だけれど、言ってることは間違ってないし(結局シェイクはアイスクリームに戻ったわけで)、彼らと電話じゃなくて対面で冷静に話すことが出来たなら、彼は兄弟を失うことはなかったと思います。レイのことなので、縁が切れたと「失った」まで思ってるかは疑問ですが。
良くも悪くも「ビジネスマン」で、ビジネス第一主義の人です。だからこそ、商売人としては信頼が置けるし、一方で仲間としては常に緊張を覚える相手なのだろうと感じます。
「執念」でマクドナルドを「成功」させたレイ・クロック…どこまでも商売一筋で、どこまでいっても商売利益に勝てるものはありませんね(最後のシーンで結婚やCEOとの喧嘩別れをサラッと触れていましたが、さすがレイだなと思いました…良く言えば信念を貫く人、悪く言えば自信過多の人です)。マクドナルド兄弟も頑なに拒否していて、もう少し柔軟に考えても良いのでは？と思いましたが、そもそも論として彼らにはお金持ちになりたいなんて夢はなく、自分たちの理想の店を持ちたいだけだったことを考えると、レイの振る舞いがいかに自分勝手だったかが分かりますね…。
映画としては凄く面白かったし、ビジネスの世界の飴と鞭を見せてもらえました。でも、レイに完全に共感できる人はなかなかいないんじゃないかな〜と感じますし、観終わった後にモヤっとする部分はあります(感情論としてのモヤっとです)。
自分がよく利用するマクドナルドにそんな歴史があったのだなと驚きました。
