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ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のbluemomday0105のレビュー・感想・評価

3.8
年末の慌しさにかまけて見逃したのですが、暇を持て余した旅先で見る機会に恵まれました。
第二次世界大戦真っ只中のワルシャワ。総数300人ものユダヤ人を動物園の地下に匿い救い出した、ワルシャワ動物園を営むジャビンスキ夫妻の実話に基づいた物語。広大な動物園を所有していたとはいえ、ほぼ個人レベルの話と言うから恐れ入る。
杉原千畝やオスカー・シンドラー同様に、イスラエルから「諸国民の中の正義の人」を表彰されているらしい。

ドイツとロシアが不可侵条約を締結し、両国間にあるポーランドに暗い影が忍び寄ってきた1939年。平和な動物園は爆撃を受け、また侵攻してきたドイツ軍により多くの動物達の命は失われた。
ワルシャワに住むユダヤ人の多くがゲットー(ユダヤ人強制居住区)に連行される事実を知った夫妻は、動物園の敷地内にユダヤ人を匿うことを考える。敷地内にいるドイツ兵の目を盗んで…。

ドイツ軍のユダヤ人に対する残虐行為を映画や本で知ってる身には「よく見つからなかったな…」と思うところも無きもあらずだけど(時々やばそうな場面もありますが)、俳優さんが皆達者なんでそのまま受け入れてしまう。
しばしば強い女性を演じるジェシカ・チャスティンが演じたアントニーナは、心優しく動物を愛する人妻。巨乳がわかるようなふわふわしたワンピースを着て、若い女の子のような甘い喋り方をするエロかわいい人妻でした…
ヒトラー直属の動物学者で、アントニーナと関わりを持とうとするヘック役のダニエル・ブリュールも、序盤のソフトな雰囲気が徐々に消えていき粗暴な軍人と化するのが怖い。
そして包容力の塊みたいなアントニーナの夫ヤン。動物学者でありレジスタンスって漫画か!って勢い。

ホロコーストものは凄惨さゆえに「こんなことが実際に起こったなんて酷い…」なんてドン引きして思考が止まるのですが、この映画は各俳優(動物含めて)の演技の凄みが強い。いいのか悪いのかわからないけど。ゾウのお母さん、あれは演技か素かどっちかな。
あとダニエル・ブリュールが軍服着てると「雪…ワルシャワ…ウッ…熱情…錆びつき…」とシビルウォーのジモを思い出し、赤い表紙の本を読み上げたくなって不穏。

「動物は目を見たら何考えてるかわかるから」ってアントニーナの台詞が、終盤の出来事の伏線になってたのか…うまいな。
ともあれジェシカ・チャスティンの出てる映画にハズレのない法則!