ケンシューイ

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のケンシューイのレビュー・感想・評価

3.5
動物園と戦争について。

戦争が起こると、
真っ先に動物園は破壊されてしまう。
檻の外へ出てしまうと危険なので
多くの猛獣たちが殺処分される。
日本でもやはりそうだったと聞く。
昔、保育園の遠足で先生に教えられたこと。
これは第二次世界大戦中のポーランド
ワルシャワ動物園で起こった出来事の実話。
園長夫妻は空っぽになったその檻に
多くのユダヤ人を匿って、命を救った。
とりわけ妻アントニーナが持つ母性は
動物たちを愛するのと同じように
分け隔てなく人間たちを守った。
そして彼女と対比される形で描かれた
ヒトラー直属の動物学者ルッツ・ヘックは
絶滅した動物の復元を夢見ていた。

この映画で描かれた一つ一つの
パズルのピースを掛け合わせて感じること。

人間が動物を支配している
という見方をしてしまえば、
動物園も倫理的に問題がある
と言えるのかもしれない。
でも動物たちを心から愛せることは、
命の尊さを知れるということであり
平和へと繋がるものなんだよと
この作品は教えてくれてるように思う。

Zoo is the peace.