Maki

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のMakiのレビュー・感想・評価

4.5
舞台は第二次世界大戦下のポーランド。300人近くのユダヤ人を匿ったワルシャワ動物園の夫婦のお話。事実が基になっているそうです。

一匹一匹の動物に名前をつけ、家族のように慈しむ主人公・アントニーナ。象の難産に駆けつけ、涙を流しながら象の赤ちゃんの心配蘇生を行う姿も印象的でした。
愛する夫と息子、そして様々な動物が集うアントニーナの家は、ドイツの侵攻によって容赦なく破壊されていきます。

何の罪もないユダヤ人や幼い子供たちが犠牲になる惨さに加え、動物たちが空襲やナチの手により次々と射殺されていくシーンは耐え難く、思わず目を背けてしまいました。アントニーナの愛情を受けて育った動物たちに平気でピストルを向けるナチの兵士たち。銃声と動物たちの悲鳴。射殺を止めるように懇願するアントニーナの絶叫に震えが止まりませんでした。

これまで色々ユダヤ人を匿ってきた人々の映画をレビューしているのでそこら辺の長々とした感想は省きたいと思いますが、押し潰されそうなプレッシャーの中、自宅の地下室で何年もユダヤ人を匿い続けた一家の勇気を尊敬します。バレたら家族の命も危ない中、自分だったら出来るだろうか?.... いつも自身に問いかけてしまいます。「私は正しい事をしていたい」というアントニーナの言葉が胸に響きます。

ホロコースト系映画ではお馴染みのダニエルブリュールさん、今回はナチ側での出演でしたね!(涙)母国語?のドイツ語を封印して英語で演じていらっしゃいました!
ナチ側の人間でありつつも、完全には悪人になりきれない微妙な役どころで良かったですー!
彼が良い人役で出ていたホロコースト系映画「黄金のアデーレ」を見返したくなりました(笑) ←ナチ党員だった父親の罪と向き合う新聞記者役です!
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