換気

菊とギロチンの換気のレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
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暴力が多くて辟易した。
終始暴力を振るうのは男で、女は従属するしかない存在であることをひたすらに突きつけられた。

女相撲の一座でひたむきに生きる女性たちの姿には希望のようなものも感じたが、結局打破することのできない男女格差があった。

「女一人救えないで何が革命だ」とアナーキストらは言ったし実際に女を救っていたが、なぜ女は救われる立場でなければならないのか。

花菊は暴力夫から逃げ「つよくなりたい。つよくなるしかない」と相撲の道に突き進むが、結局超えられない格差が現実にはあって、やりきれないな〜と思った。



朝鮮人の十勝川が在郷軍人と自警団にまつり上げられるシーン、ひどすぎた。地獄絵図。

「貧乏くじ引いて戦争行ってきた」「しかも意味のない戦争」
渦中で暴力を下すのは小作農出の貧困な弱者たち、そして暴力を受けるのもまた朝鮮人や女性などの弱者、
いったいこの怒りどこに向ければいいのだろう。

そしてこの構図は今も受け継がれてるのでは。

浜辺で女力士たちが踊る姿はとても美しかった。

見ることが苦行に感じる部分も多かったけど主演の木竜さん、みていて心が澄んだ。
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