eiganoTOKO

菊とギロチンのeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

菊とギロチン(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

このノンポリとリベラルしかいない地獄社会で、天皇制批判、アナーキスト、プロレタリアートと女相撲、DVから抜け出すために強くなりてえ女、差別されてるとはいえレズビアン(ゲイではないとこもポイント)を描くだけで最高とまず言いたいわ。
そんで、俳優に在日女性がいるってんだから、つべこべ言わずに満点だろ!!!
亭主の元にしょっぴかれる小桜に、「こざくらぁぁぁぁ!!」と叫ぶやつらとナカーマになりたい!!
憲兵に連れてかれそうになった仲間を守るため、親方に守るって言ってただろうがぁ!と男ぶん殴る大関すきぃぃぃぃ!!!

…と激賞したいとこだけど、脚本原作の書籍化した栗原康の限界。
女にだらしない男を支える女像から抜け出せない限界にイラっ
童貞野郎と叫びながらアナーキスト仲間殴るのイラっ
女ひとり救えねえで何が革命だ、の台詞にイラっ
神の怒りを買い、雨を降らせることで干魃対策で女相撲が呼ばれた、にイラっ
女相撲の強さが結局男の腕力でレイプされ全然役立たねえことにイラぁっ

時代、史実の限界といえばそうだが、ギロチン社と女相撲が出会っていたら?のファンタジーなんだから、どうせならもすこし女の見せ場出せコラ。
栗原康と言えば、伊藤野枝の本でも自由恋愛してるノエさいこー!みたいな褒め方しかしてなくて、自分の解釈だらだら書いて女のふしだらってよくねえ?!みたいな文章が世間的にはウケてるけど、ある種のパターナリズムしか感じないんですよね。
まずそのふしだら最高褒めが男の幻想だってこと理解しとけメーン?

あとギロチン社の中浜哲が、満州行ってみんな平等作りたいとかぬかすが、それアナーキズムじゃなくて植民地支配とどう違うわけ? 史実に忠実だとしたらオマエそこんとこどう考えてたんだよ、と問いたい。
彼らが死刑になったのは許すまじだが、ギロチン社は平等社会は作れないね、残念でした〜と、嫌味のひとつでも言いたくなる。

でもまあいい映画です。
なんぼなんでも長いが笑

在日女性の十勝川が、首切られそうな男を守るため、天皇陛下バンザーイって泣きながら叫び、自警団が同じく万歳叫んだ時にタックルして黙らせるシーンはクソ泣ける。名シーン。
貧困層の農民の気持ちわからんボンボンに対する「右翼」側のいいぶんもリアルでいい。

今だって地震があった直後に井戸に毒デマがミーム化して差別をギャク化してるし、「いい在日」を演じさせててたいして変わらんグロテスク状況。
日本は市民革命が今まで一度も起きてない全体主義国家ばんざーーーーい!!!

しかし自警団てどの時代でもクソメンしかいないのはなぜなの教えて誰か…。