デニロ

菊とギロチンのデニロのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
3.5
高校生の頃、何かで大杉栄の写真を見た。眼が強くて引き込まれそうだ。隣の伊藤野枝も同様で目の強い美人としての記憶が残った。いや、おふたりの娘М子の眼が鋭くて、大杉や野枝の印象に影響を与えたのかもしれない。

後年、伊藤野枝の写真を改めてみたけれど、えっ、と思った。いや、こんなはずはないんだけど、という驚き。若いということは眼も経験が浅く、血迷ってしまうものかもしれない。そして、自分の傍にいる本当に素敵なひとが見えていない。

当時購入したハードカバーの「大杉栄集」と、「季刊ピエロタ 大杉栄特集」等がいまだに段ボール箱に蔵われています。思想に共感していたのかもよくわからない。でも、同時代に生きていたら行動を共にしようと考えたかもしれない。本作のアナーキストのように。かも、だけれど。

本作の予告篇を観た覚えがあるが、女相撲のことばかり残っていてギロチン社のことは抜けていた。そして、女相撲とアナーキストの絡みは意味ないな、と思った。でも、アナキズムは多分に自由主義的傾向の強い主義でもあるので、まあいいか。

瀬戸内寂聴の「美は乱調にあり」「諧調は偽りなり」を読むと、本作の登場人物が活写されている。映像化された彼らを観るのも楽しいものでした。