ふぁいぽ

菊とギロチンのふぁいぽのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
4.1
ちょっとギョッとするタイトルだ。花菊とギロチン社って事ですね。 女相撲と実在したアナキストとを上手く関わらせた面白い脚本だと思う。

女相撲の女性達は逆境の中必死に生きようとしていて逞しい。花菊は夫からの暴力から逃げてきた悲しい過去がある。他の女性達も皆んな訳ありだ。ただ居場所が分かってしまうと呆気なく連れ戻されてしまう所が悲しい。この時代、女性は非常に生きにくい社会という事がよくわかる。 花菊を演じた木竜麻生が非常に印象的ないい演技。

そしてアナキスト達。理想ばかり語っている口先だけの連中。実際の彼らはどうだったかはわからないがこの映画の中では何の魅力も説得力もない。この後、日本は太平洋戦争に突き進んで行く訳だから、彼らのような思想を持つ人達には大変辛い時代だったと思う。女性達を引き立たせるために、あえて男性達をこのように描いたのかもしれない。

そして朝鮮の人達への虐殺には言葉もない。祖母からもその話を聞いた事があるので痛ましい限りである。十勝川を演じた韓英恵も印象的だった。

誰に取っても生きにくい世の中だけど、彼らなりに生きようとする力を感じることのできる映画だった。