イロカワ

菊とギロチンのイロカワのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
5.0
御託はいい。
「いつかやるなんて、言っているやつのいつか、なんて一生来ない。今しかない。いつだって今しかないんだ。」
このセリフより重要な事なんて無い。とにかくこの言葉を聞き、震えるべき。そして何かを始めるべき。でないと相澤さんと瀬々さんに失礼だ。

他のユーザーの感想・評価

Mypage

Mypageの感想・評価

4.0
全員バカで全員負けてた
後半めちゃくちゃでよかった
キャスティング豪華でたのしい

ONODA、
戦メリ、

「意味のない戦争」を体現する身体

吠える犬のレベルで共感するだけじゃ足りない

山田真歩さん、すきです
がひ

がひの感想・評価

3.4
なんか汚らしかった…の割にテロップで説明したり装飾の感じとか華美すぎる感じがした
テーマが古臭いけどキャストは良かった
VOT

VOTの感想・評価

3.9
だいぶ前に公開一周年記念かなにかのリバイバル公開をしているのを見かけて、なんの情報もなしで興味本位で飛び込んだ K's cinemaで観ました。個人的には瀬々監督作品との初邂逅でした。

上映時間なども、ほとんと意識していなかったので、体感時間と展開的にここで終わりかなぁと最初に思ったのが多分100分弱経過したところ。そこからさすがにここで終わりだろうと思うタイミングを最低でも4回は経て、ようやく終わってヘトヘトになっていたのを覚えています。

構成とかは内容とかはメチャクチャですが、とにかくスクリーン上のパワーがすごすぎて、好きな映画の1つです。

このレビューはネタバレを含みます

最初はアナキストたちがかなりグダグタで、そんなんで人殺すなよ!と思っていたのだけど、中濱鐵が朝鮮人虐殺の話を聞いて「俺が! やったわけじゃないけど…すまなかった!!」と土下座するところで私も感極まってしまった。
俺は…俺は、お前を信じる…!!と思った。こう言える人間に私もなりたい。

女相撲の女たちは、おそらく何かしらの理由があって社会の枠組みから漏れてしまった人間たちなのだろう。そういう人たちが集まって、力強く生きていく様子はかっこいい。セーフティネットの一つだったのだな。
権力や家父長制に抵抗して抵抗して抵抗して、革命は起こせないけど、それでも抵抗する姿に勇気をもらった。結末は決してハッピーエンドではないけれど…。それでも声を上げることは無意味ではない。

ただ、映画としてはかなりグダグタな部分もあって、3時間はいらないと思いました。笑
悲しみ、トゥーヤング。

男ばかりのアナキストのギロチン社の面々は、義憤を暴力によって理想に繋げようとして失敗する。それは若さゆえの生き急がざるを得ない激しい熱。

ブルジョアからカツアゲ。権力の象徴である人物の身内を襲撃。馬賊から爆弾を買うためになけなしの懐を叩いて朝鮮半島へ。仲間を助けるためにツルハシを持って乗り込む(多勢に無勢)。中濱鐡の行動力の凄さに感心してしまうが、惜しいことに優秀な参謀や諜報部隊がいなかったために、その計画はことごとく失敗する。カツアゲだけはうまく行っていたようだったが、革命資金としての運用に暗かった。

大正末期。インターネットもなければグーグル先生もいない上に、思想の取り締まりなどという頭のおかしい時代に、有用な情報を得られず全て己の知識だけが頼りの手探りの革命がどうなるかは想像に難くない。それはのちに絞首台の露と消える古田大次郎のセリフ「何やったってダメなんだよ!」「ダメなものはダメなんだよ!」という切実な叫びと重なる。

何かを成し遂げるのに、一朝一夕にはできないし、一人でもできない。
何かすぐに見える形で結果を出したがるのは若い人の悪い癖だが、その若さと情熱がなければ世の中を変えていくことはできない。

ギロチン社と対比する形で、夫の暴力から逃げて女相撲の一座に入った「花菊」と在日朝鮮人であり遊女だった「十勝川」の生き様も胸を打つ。

女相撲に入ってきた女たちはみんな、なんらかの暴力から逃げてきた者たちで、言葉こそ荒っぽいが、お互いがそのことをわかっているから優しい。
女が生きていくのに、男に媚を売るか魂を売るかしかなかった(一部の運のいい人を除く)時代に、相撲で生きていくことを選んだ彼女たちは逞しい。
しかし、その逞しさすらも目障りだと潰しにかかる暴力に、彼女たちはなすすべがない。暴力を正当化するために言いがかりをつけて十勝川を引きずっていく自警団の連中のような面々が実際にいたことが無念でならない。

いつの世も弱いものへ向ける暴力は手っ取り早く、効果も絶大だ。だから使う人がちっとも減らない。

だけど、世の中を良い方に変えてきたのは、その暴力の理不尽さに耐えてサバイブしてきた人たちなんですよ。弱いとされてきた人たちが、生き抜いて、討ち死にしていった大勢の仲間の魂を大切に持ち続けていたから、変えて来れたんです。それは一抹の希望というやつなのかもしれないけど、あると無いとじゃ全然違う。

「思想教育」とか「洗脳」は、確かに100年くらいは効果あるでしょう。でもそれは魂への暴力でしかない。暴力で人は変われない。
希望とは目に見える形でではなく、それこそ草木が大地を覆い尽くすように、何千年もかけて成し得ていくための何かですよ。空条徐倫が未来に託したエンポリオ、プッチ神父が激しく恐れたエンポリオ、みたいな・・・・

「差別のない世界で自由に生きる」暴力に虐げられてきた人間たちの悲願。それは今も途切れることなく続いている。少しずつ、少しずつ、希望の光を集めながら太く、大きく成長しているんです。そのことを改めて痛感した一作。
たか

たかの感想・評価

3.0
大正末期の女相撲、現代の女性土俵賛否のような小さな話ではなく、訳ありの女性達が集い、革命家も交えて命を燃やします。土俵に上がる権利を主張する前に、土俵に上がる覚悟を自問させられる作品です。一般受けはしないので要注意!
yayou

yayouの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

女相撲のシーンは面白くてかっこよくて好き。
時代背景や事件、思想などは難しくて私はよくわからないけど、以前見てすごく印象に残ってた。金子文子と朴烈 と同じ頃に見た気がする。どちらも関東大震災後の日本、アナキストたち。この話はやっぱり本当につらい。

どうみても男の人のことが大嫌いになる。これだけの登場人物がいて魅力的にみえる男の人はいない。最後辺りはずっとしかめっ面で見ていた。暴力的で女相撲以外は清々しいところは全くない。ほんとうにこんな時代だったのかな。はぁ、つらい苦しい、それに長い!

女相撲とギロチン社、絡めて描く必要があったのか?あったのでしょう。。でも女相撲の話として見たかったな。


強くなりたい。 
強くなりたい理由がある。


脚本 空族相澤虎之助さん
テツ

テツの感想・評価

3.0
11:嫌いではないが、好きでもない、この時代自体がモラトリアム人間増員時代って感じ。
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イロカワさんが書いた他の作品のレビュー

ミュンヘン(2005年製作の映画)

5.0

 スピルバーグの映画の中で一番異質な雰囲気を醸し出している作品。
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