ニクガタナ

菊とギロチンのニクガタナのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
3.4
大正末期に実在した女相撲興行とアナキスト集団「ギロチン社」とを絡め、自由を求めて闘った若者達の足掻きを描いた青春劇。うーむ長い上にパッとせず、ピンと来なかった。女性の権利獲得のための闘いの歴史の一端としても描きたかったのかな?全体的にアナーキーな印象。ともあれ端々までキャスティングが上手く、演者皆芝居が上手い。木竜麻生演じる主人公花菊かわいい。韓英恵色っぽい。女達が雄々しくて、男どもが何かと女々しい。眼鏡のせいか主人公が寛一郎だと全く気付かず、しかもこれが映画初出演とは恐れ入る。東出昌大は殻を破りたいのか、やたらと脱ぐし破天荒な感じの芝居が馬鹿っぽくてちょっと鼻に付く。戦争のバカバカしさを描くのに狂気の軍人役が似合う大西信満がまた活躍してた。朝鮮人虐殺に絡んだ日露戦争退役軍人達が自分たちを正当化するカオスなシーンに、場を納めるような「天皇陛下万歳」は魔法の呪文のように聞こえる。田んぼでの爆発とその後のタイトルの入り方が強烈なインパクト。各国が敵意むき出しでキナ臭い今だからこそ、戦争に突き進んだかつての大日本帝国の状況を描き、反戦を表明する本作が作られる意義があるとは思う。「映画で日本を変える」その信念の元、瀬々監督以下皆頑張って作ってるとは思うが、まずシーンが無駄に長くて萎える。もっと観てもらえる作りにしないと無駄な気が…。