菊とギロチンの作品情報・感想・評価 - 23ページ目

「菊とギロチン」に投稿された感想・評価

いまの時代に作られるべき作品。震災後に生きる我々への、見事なアジテーション。
テーマ主義に走りそうなテーマではあるが、女相撲というクッションを置くことで、物語としての面白さを増している。3時間という長尺の作品であり、緊張感と言えるものが持続してはいない。しかし、ダレたと思ったら惹きつけるシーンが入るという構成もいい。
ロケセットを含めた美術も評価したい。
時代が生んだ、作らせた傑作!
貧困と統制された社会。
自分の思いに忠実であれ。
ままならないけど…
熱き思いがぶつかる映画でした。
私は疲れた。
ギロチン社と女性力士たちを半ば対にすることで、いまもほとんど変わらない様々な男女格差を滲ませているのは上手い。『64』を撮ってる瀬々さんなので、娯楽性も十分。旧態依然とした価値観も目につくけど、日本においては秀作レベル。
ああ、瀬々監督は私が聞きたい台詞全部言ってくれるな。
『花菊は誰のもんでもない、花菊は花菊や』、『おらの身体だ、自分の身体売って稼いでなにが悪い』、『どうしたらもっと強くなれますか』、『おら、強くなりてえ』
相撲のシーンは圧巻、私も強くなりたい。
菩薩

菩薩の感想・評価

1.1
「構想30年」とは一体なんなのか、30年の間に何を煮詰め、そして焦がし、見失ったのか、監督本人は我らに何を伝えようとしたのか、我らは何を受け取らなければならなかったのか、ひとっつも分からぬまま、ただ地獄のような3時間を過ごした。たしかに「アナーキー」な作品である、そして何より客層がアナーキーである、だがはっきり言ってやむを得ないと思う、この作品に客の集中力を3時間引き止めておく魅力は一切ない。ギロチン社と女相撲、同じ「自由」を追い求める同士だからこその共鳴、なんていうこの作品の根幹があるはずなのだが…いや無くない?エピソードは弱い(ラブストーリー観に行ったんじゃねぇんだわこちとら…)、キャラクターはそれ以上に弱い上に基本使い捨て、困ったら誰かに叫ばせ誰かを殴り、しかもシーンが移り変われば全ての傷が治っている。

画が繋がってねぇじゃねぇか!!!!

なんて瞬間が何度あったろうか。そもそもセリフの90%が聞き取れない、「言葉」を大事にすべき作品だろうにそこが全く伝わって来ない、こっちは常にど真ん中にミット構えてんだ、暴投繰り返してんじゃねぇ。なぜギロチン社で一本、女相撲で一本、それぞれ90分程度に、なんて選択肢を取れなかったのだろうか、混ぜるな危険をまんまと実行して自爆、俺にはそんな風にしか受け取れない作品だった。関東大震災後の戒厳令、阪神淡路大震災後の地下鉄サリン事件、そして東日本大震災から現在に続く社会の混乱、そんな「今」に投げかけるべき物がこの作品には詰まっている!なんて書く気満々で臨んだのに…蓋を開けてみれば何も無かった…。劇中の台詞を借りればいつかやるなんて言う奴のいつかは絶対に来ないのだよ、この映画は何も出来ていないと思う、ただ尺が長いと言うだけで鑑賞料金が200円ほど高い「リャク」には成功しているわけだが、我々は映画の「長さ」にお金を払っているわけではない、「面白さ」に期待しお金を払って劇場に赴くのだ、その点を忘れてはいけない。本当に褒めるべき点が一つも無い、それでもなんとか探せと言うなら、大杉栄役の役者が鎮座DOPENESSに似ていたってくらいだろうか(大杉本人が似てるからな)。似たようなテーマ、そして尺なら吉田喜重の『エロス+虐殺』を観た方がよっぽど有意義、自由と言うのは常に制約の中だからこそ成り立つものだ、この作品の自由は全てがインチキだ、熱さだけで世の中が変わるのであればとっくに変わっている、変わらないからこそ、芸術が訴えるべき事があるのではないか、そんな覚悟が無いならば、容易く手を出していいテーマでは無いと思う。この2年間、積み重ねてきた期待感がもろくも崩れ去った俺は今途方に暮れて街を徘徊している…今目の前に突然ロベスピエールが現れたら、俺は自ら進んでこの首を差し出す、殺せ…殺してくれ…だがその目が見えている内は、俺は憎悪の眼差しを向け続けてやる…。
hiro53

hiro53の感想・評価

4.6
戦前のアナーキストと、女相撲。どちらも「まともな」人ならチョッと敬遠しそう。ところが、妙に通い会うものがありーー。ところでヒロインの花菊、鶴竜に似ていたような?
チィ

チィの感想・評価

4.0
瀬々監督作品はやっぱり長編が輝く、この感情が何なのかはわからないけど染み渡った。大正という時代と、女相撲という題材と思想が混ざり混沌が錯綜する。
なかでも大次郎に対して「おまえはひとりだと思ってる!」と思いの丈を叫ぶ倉地にハッとさせられた。大次郎の無意識に斜に構えた自分は違うという感覚、中濱の意見には考えの違いはあるけど尊敬の念が上回る感覚、それによって起きる他の面々との感覚の差。決してギロチン社、思想を持っているから起きることじゃなくて日常生活にも当たり前に感じるこの劣等感をまっすぐ伝えられた言葉の数々が胸に刺さって抜けない。そして大次郎のやりたいことはあっても実行に移せないもどかしさと思いと異なった無力さが世に非情で。ラストにかけては特にバタつきたくなる、暴れまわりたくなる感情を押し殺すことに必死となった。
花菊の自分のやりたいことに対する現実とのギャップ、すれ違う願い、過ぎゆく時もまた日常生活に存在するもどかしさで。むず痒くて逃げたくて仕様がない。辛い!叫びたい!そんな心の悲鳴をあげていると、3時間なんてすぐだった。
冒頭の覗き穴ショットより監督による観客への引き込みが始まる。この作品は他人事じゃねえぞ。お前らしっかり見ろよ。そんな思いを感じさせる力強いオープニングだ。このままこのテンションでぶっ飛ばしていくと思っていた。いや、ぶっ飛ばしていたのだが映画の重要な要素であるセリフ。これが聞き取りづらい人が5人くらいいた。聞き取りやすい人と聞き取りにくい人のギャップが激しかった。小さなことだが今なんて言った?と逡巡を何度も繰り返すと結構なストレスになってしまう。これは辛かった。
この作品は怒っていた。全員怒っていた。強烈なエネルギーにより前進を続ける登場人物たちが何も成し遂げることがきないどころか全て崩壊してしまう物語なのだがそんなエネルギーすらも無くなってしまっている現在に怒っていた。
菅田俊さん結構走ってたな。おじさんが走る映画。おじさんが走る映画っていい。

土俵までたどり着けなかった女とたどり着いた女。この違いはいったい何だったんだろう。無常だが現実。彼女たちのせいではない。

長い!
gomazai

gomazaiの感想・評価

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女相撲のパートが良かった。大正日本のGLOW ゴージャス・レディ・オブ・レスリング。裸目当てで来た客を熱狂させる彼女たちの闘いっぷりは本当に痛快。(だからこそ後半が辛い)

かたやアナキストのパートはどうも好きになれなかった。
カズ

カズの感想・評価

4.0
三時間の長さを感じないがダレるシーンが多い。
女力士とアナーキストが影響されあって自由を求める様がいい。
雰囲気で楽しめたが時代背景や監督の意図が知れるともっと楽しめたかもしれない。