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疾風ロンドのheroheroのネタバレレビュー・内容・結末

疾風ロンド(2016年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

物語の初めから主人公に対して抱いてしまう倫理観の無さ加減は最後まで消えることはなかった。
ラスト近くで解消されるかにも見えたがやはりダメだ。
罪も無い大勢の人間を死に至らしめる物質を身内だけで、しかも善意で協力してくれる人達にさえ真実を隠し、何とか回収しようとする様は、コメディーとして観ても気持ち良い主人公ではない。
常識ある人間なら即行で警察に通報し、一刻も早く回収すべきなのだ。
とにかく主人公は呑気である。緊急事態に悩んでる振りをしてるだけなのだ。ラスト近くで真実を公表すると宣言した後も、その危険物質を個人で平然と運搬するという危機感の無さは少しも笑えない。
このクズっぷりを他の親子関係の人情話でコーティングして、あたかも良い物語かのようにまとめているのも頂けない。
この題材でコメディーにしたいのなら、最初から最後まで徹底的にクズに徹した主人公を据えた完全なスラップスティック・コメディとして作るべきだ。
そうしないのは、元々の原作がそうなのか、それとも映画によるアレンジなのか、どちらにしろこの役を演じることになってしまった阿部寛氏に同情する。
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