chako

あしたのパスタはアルデンテのchakoのレビュー・感想・評価

3.4
パスタばかり出てくる飯テロ映画かと思いきや、そういうわけではなく、"同性愛"をテーマに南イタリアでパスタ工場を経営する家族の模様を描いたヒューマンコメディ。

何だか安っぽい邦題になってますが、原題「Mine vaganti」は「(何をしでかすか分からない)危険人物」という意味。イタリアの映画賞では10部門ノミネートされた作品だそうです。

物語は、主人公がゲイであることをカミングアウトしようと実家に帰省するところから始まるのですが、実は主人公の兄もゲイであり、先にカミングアウトされてしまったことにより自身もゲイであることを打ち明けられなくなってしまう。

本当の自分をさらけ出すか、
偽りの自分を演じて生きていくのか。

"同性愛"という一見シリアスになりそうなテーマではあるものの、ユーモアたっぷりで要所要所に笑いもあり。中でも主人公のゲイ友達集団がやって来るくだりは爆笑もの。水着姿でノリノリで踊るシーンなんて笑わずにはいられないけど、それでもやたらとセクシーなのはさすがイタリア人(笑)

ラストは観る側に委ねるような終わり方。
ほんの少しの苦味はあるものの、きっと彼は自分を偽らずにありのままの自分らしく生きていくのだろうな・・・と、私は前向きなラストに思えました。
想像していたものとは違ったけれど、イタリアらしい突き抜けた明るい作品。南イタリアの美しい景色や、劇中で流れる60年代ポップスのような音楽も心地良い。

また監督ご自身もゲイであることをカミングアウトされているらしく、「普通なんて、嫌な言葉だね」と言う祖母の言葉や、「ゲイは病気ではなく個性です」という主人公の恋人の言葉には監督の思いが込められているようにも感じられ、グッときました。