アラシサン弐

ウインド・リバーのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.9
世に出てないだけで、こういった事件が実は多発して泣き寝入りさせられてると思うと非常に後に引くものがある重厚な社会派映画だった。

田舎には楽しみがないし出ていくことも入ってくることもない、が一番悪い方向に作用してるような話で、それが国が先住民にやってきたことの結果でもあるからか、事件が解決されたとしても無力感を強く感じる。
意思が強い人じゃないとアル中になったりヤク中になったりするような土地を警察6人で担当は無理があり過ぎると思うが、あの土地がいかに国にとって見なかったことにされてる土地なのかを感じ取ることが出来る。

また、劇中の被害者たちがみんな土地から出ていこうと外へ希望を持っていたように描かれているから、終盤に犯人VS主人公の構図になった時の犯人側の言い訳にはかなりイラッとする。
土地に絶望するも外に希望を持つのも要は意思次第だということか。

勘の良い人なら中盤あたりで真相に気付けそうだが、これがまた胸糞悪く救えない。
真相の明かし方も変化球で、一番ヒヤヒヤする場面で観客側が知ることになるので、その後の展開がかなり前のめりになる。
アラシサン弐

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