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ウインド・リバーのtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

観た後重たくズシンとくる作品

物語は女性の遺体の発見から始まる
彼女は裸足で足は凍傷、暴行の後もあり、派遣されたFBI捜査官は地元のハンターに協力を仰ぎ、捜査を進めるが…といった処だろうか

冒頭にも一行出されるようにこの物語は史実を元に作られているそうで

ネイティブアメリカンの先住民たちの家系の者たちは強制移住によりウインドリバーに住まわされていると

そこは雪に閉ざされた大地であり、追い込まれ抑圧された者たちは酒やドラッグに走り、(そしてこの物語では犯人たちは愚かで醜い罪を犯す…)女性の失踪者は正確な数が分からないまま…


このようなアメリカ社会の闇深い一端がジェレミー・レナー演じる地元のハンター(ある意味では解説役)とエリザベス・オルセン演じる地元を知らないFBI捜査官(何も知らないつまりある意味我々の視点側)の視点を通して描かれており、観た者に衝撃と暗い影をおとす

また、この作品で描写される被害者遺族の怒り悲しみは心に突き刺さるものがあり、ハンターの彼は3年前に娘を失った者であり、今回は同じ被害にあった女性の犯人捜しをする立場でもある。
彼の怒りであり悲しみがジェレミー・レナーの抑えた演技で静かに表してくれている

サスペンス映画としても非常に見応えはあり、静かな画面に緊迫感が漂っており、銃撃戦も生々しくリアルな雰囲気をまとわせている
そういった部分ではキメるところをしっかりキメてくれるジェレミー・レナーはカッコいい!と観ることも出来るだろう

アメリカ社会の暗部を描きつつ、犯人を巡るサスペンス映画としても素晴らしい作品

どうしてもお国柄というか、アメリカ社会の実情をそこまで分かっていない面があるので、この暗部をもっと理解した上で観るとよりこの社会的問題を感じながら観られるのかもしれない

色々読んで追記
ネイティブアメリカンについての知識を読んだりするとより色んな問題があるのだし、この物語で描かれたのはアメリカ社会のほんの一端であるということを実感する
銃撃戦はふいに起こるのでドキッとするがある意味ではそこもリアルなのかなと
エンディングは確かに悲しみを乗り越え前に進んでいると言えるエンディングだった
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